働き方改革でサラリーマンは何が変わるのか?今より自由な働き方を獲得できるだろうか?

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2019年4月から「働き方改革」法が施行されます。少子高齢化対策・多様化する働き方に対応可能な環境づくりを主眼としています。「残業時間の上限制度」「有給休暇の取得義務」「同一労働同一賃金」「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」導入が間近に迫っています。

 

その中でも、「残業時間の上限制度」「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」が実質的な賃下げであると言う意見が多く出ています。サラリーマンに変革の波がやってきます。

 

 

 

1945年の第二次世界大戦敗戦後、日本では史上最大の人材不足の状態が継続しています。有効求人倍率は全国平均1.0以上で東京都は2.1と異常な値を示しています。

 

この人材不足の状況下で「働き方改革」法が施行されます。「働き方改革」は長時間労働を抑制して、有給休暇を取得することで就業時間が減少しますので、人材不足と法改正の歪みがあります。

 

国民の代弁者である国会議員が賛成し成立した法改正ですので、法律には従うことになります。

 

 

 

今回は残業時間の制限と労働環境の改悪について説明をしていきます。

 

 

 

働き方改革とは何か?

 

「働き方改革」の目的は、「少子高齢化による生産年齢人口(満15歳以上~満65歳未満)の減少」「育児・介護の両立による働く方々の多様化するニーズ」に対応するための政策です。

 

IT技術の躍進・AI技術の普及に伴い生産性が向上している中で、就業機会の拡大や就業意欲・能力・スキルを思う存分発揮できる環境づくりが重要な課題とされています。

 

「働き方改革」はこの課題を解決するため、働く人の個々の事情・多様な就業環境の選択可能な社会制度を実現させて、より良い将来を切り開くことを目標にしています。

 

 

 

具体的には「時間外労働の上限規制」が導入されます。時間外労働(早出・残業・休日勤務)は基本的に上限が設定されます。上限時間は、月間45時間または、年間360時間を原則にしています。大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から施行されます。

 

次に「年次有給休暇の確実な取得」が義務付けられます。年間10日以上の有給休暇が付与される従業員は、最低5日以上の有給休暇取得が義務付けられます。大企業・中小企業ともに2019年4月から施行されます。

 

最も大きな改正点は「正規雇用従業員と非正規雇用従業員間の不合理な待遇差は禁止」されます。俗に言う「同一労働同一賃金」のことです。正社員とパートタイム従業員・アルバイト従業員・期間契約従業員の待遇差があってはいけません。この法改正には企業が準備をする猶予期間が設けられており、大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から施行されます。

 

違反した場合は、企業名の実名告知や罰金を課されるケースがあります。

 

 

 

上記をまとめると、正社員の労働者は、残業が減少し休暇は増える特典があります。時間給労働者は正社員と同等の報酬を得る是正が図られる予定です。

 

 

 

 

働き方改革と自由な働き方に関係があるのか?

 

「働き方改革」の導入によって「自由な働き方」になるのでしょうか?

 

 

最初に「自由な働き方」とは何かを説明します。

 

「自由な働き方」とは、会社の指示・業務の指示・管理監督職の指示の下で納期通りに与えられた仕事を消化する働き方ではなく、自分自身の好みの分野・得意とする分野の業務を会社・管理監督職に束縛されずに、自分自身の意志で業務遂行・休暇取得を実践していく働き方を言います。

 

 

また似た言葉で「働き方が自由」とは異なります。

 

「働き方が自由」とは、受け持った仕事を期日まで収めることで、その手段は何も問わないことです。会社で執務してもOK・在宅ワークもOK・図書館での執務することもOK・シェアオフィスでの執務もOKという状態のことです。

 

 

「自由な働き方」と「働き方が自由」は似ていますが、納期までに成果を収める手段が変わってきます。

 

 

 

 

「自由な働き方」と「不自由な働き方」を比較してみましょう。

働き方改革でサラリーマンは何が変わるのか?_表-「自由な働き方」と「不自由な働き方」

「自由な働き方」は、企業と個人の関係がフラットです。個人は自分自身の能力・スキルを企業に貸します。企業は対価を報酬で返します。個人は報酬を得ながら企業の環境・インフラを活用して、スキルアップをしていきます。

 

2019年4月から施行される「働き方改革」では、企業・団体・組織の枠に包まれている体制を徐々に緩和していくことを目標にしています。ただし、運輸業界の従事者・工場や建設現場の従事者・接客サービスの従事者は「自由な働き方」にあてはまらないとしています。 

働き方改革でサラリーマンは何が変わるのか?今より自由な働き方を獲得できるだろうか?-1_r

 

 

働き方改革でサラリーマンは何が変わるのか?

 

「働き方改革」でサラリーマンは何が変わるのでしょうか?

 

「残業時間の上限制度」「副業の推奨」「裁量労働制度の導入」「高度プロフェッショナル制度」が導入されます。それぞれの改革でサラリーマンは何が変わっていくのでしょうか?

 

 

 

 

「残業時間の上限制度」導入で変わること

 

第1に「残業時間の上限制度」が導入されます。特別な理由がない限りは上限時間(月間45時間以内または年間で360時間以内)を守る必要があります。「残業時間の上限制度」導入の法改正は大企業が2019年4月から、中小企業が2020年4月から施行されます。

 

対応が早い企業は、施行前から残業時間の削減をし始めています。サラリーマンは過剰な長時間労働から解放されて、定時に上がって帰路につくことができます。慢性的な疲労感がある毎日の生活を脱して健康的な生活を送ることができます。

 

 

「残業時間の上限制度」は過剰な長時間労働の抑制とサラリーマンの健康維持を目的にしていますが、サラリーマンの中には定時退社を嫌がる方々が居るようです

 

 

なぜなら毎晩2時間~3時間の残業をして生活費の足しにしているケースがあるためです。

 

残業手当が無くなると家計に影響します。サラリーマン本人は、昼食代を節約すること・終業後に一杯飲みに行くことに節約を求められるようになるかもしれません。

 

 

次に帰宅時の居場所が無いことです。今までサラリーマン本人は20時~21時頃まで残業して、帰宅する時刻は21時~22時頃でした。サラリーマン本人の家庭は前記のタイムスケジュールで上手く回っている状態に亀裂が生じます。

 

サラリーマン本人の残業が減少するので、退社時刻が定時頃になり、帰宅時刻が18時~19時と早くなります。「亭主元気で留守が良い」ということわざがあるように、平日に早い時刻に帰宅すると家庭内に問題を生じる可能性があります。

 

いつも決まった時刻の21時~22時に帰宅するために、街を散策する・図書館を利用して時間調整をするサラリーマンが急増しています。急激な労働環境変化による歪が生じるのです。

 

 

 

 

「副業の推奨」で変わること

 

第2に「副業の推奨」です。国家公務員・地方公務員の方々は国家公務員法・地方公務員法で「副業」が禁止されていますので「副業」ができません。民間企業・団体・組織を対象にして「働き方改革」で余暇時間帯が生じたときに向けて「副業の推奨」をしています。

 

しかし、国家公務員・地方公務員と同様に企業・団体・組織の就業規則で「副業の禁止」が規定されているケースがあります。余暇時間が増えたからといって安易に1時間~2時間の副業をせず、就業規則を確認することが重要です。副業が禁止されている企業・団体・組織では、「副業」をしていることが発覚すると懲戒処分になる可能性があるので注意しましょう。

 

2018年6月に「働き方改革」法案が成立後、IT業界やベンチャー企業の一部では「副業を推奨」する企業が出始めています。企業の就業規則を見直して「副業可能」と改正されたときは、自分自身の趣味・興味を持つ分野や本業の能力・スキルを発揮できる「副業」の選択が可能になると言われています。

 

 

 

 

「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」導入で変わること

 

第3に「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」の導入です。

 

 

「裁量労働制度」は実際に就業した時間ではなく、契約時に定めた契約時間数の賃金を支払う制度です。契約時間数を超えて就業しても追加賃金は発生しません。逆に契約時間数よりも就業時間が少ないときに返戻する賃金は発生しません。業務内容を把握し各タスク管理が可能な従業員に限って適用され、専門性が高い業種が該当する可能性があります。

 

その業種例は「服飾デザイナー」「システムエンジニア」「ゲームアプリケーション開発」「放送業のディレクター・プロデューサー」「証券アナリスト」「公認会計士」「弁護士」「弁理士」などが対象です。

 

 

 

「高度プロフェッショナル制度」は、高度な業務能力・スキルを要し年収1,075万円以上の方々に対して、時間外・深夜勤務・休日勤務の割増賃金の支払いを対象外にする制度です。成果に応じた賃金が支払われる制度です。

 

その業種例は「金融商品開発」「ディーリング」「アナリスト」「コンサルタント」などが対象です。

 

日本の全産業の平均年収420万円と比較すると上級職の方々が対象になりますので、一般的なサラリーマンには適用されません

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働き方改革で失敗が予想される改正事例の紹介

 

「裁量労働制」導入

 

「裁量労働制」導入が問題視されています。

 

自営業・フリーランス・IT業界のエンジニア・Web業界のエンジニアには年棒制や裁量労働制が導入されています。しかし、一般的なサラリーマンの方々に裁量労働制を浸透させることは困難です。日本の商習慣では自分自身の業務を時間内で収めて帰宅する風土はなく、プロジェクトメンバーのフォローや部下の指導育成が必要になります。

 

自分自身の業務が終わったら周りを意識せずに帰宅する環境に至るまで浸透する期間が必要となり「裁量労働制」導入の効果が出ないと予想されます。

 

 

 

 

「高度プロフェッショナル制度」導入

 

「高度プロフェッショナル制度」は、成果を達成させるためにサービス残業が増加すると言われています。

 

制度施行時は年収が1,075万円以上で職種も限定されますが、年収上限が下降改正される・職種範囲が広がると労働環境が悪化すると予想されます。また、ある調査会社の「高度プロフェッショナル制度」導入に関するアンケートでは、対象となる従業員が2年後でも1%未満と回答する企業が6割以上も存在しています。

 

実質的に「残業代=ゼロ」制度導入には高い壁がありそうです。

 

 

 

<参考・参照サイト>

ロイター企業調査:進まぬ「高プロ」制度、6割が2年後も1%未満

 

 

 

 

働き方改革 まとめ

 

アメリカ合衆国やEU諸国では、「働き方改革」で導入される「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」に長い歴史があります。

 

 

アメリカ合衆国・EU諸国の雇用契約は「ジョブ型雇用」と言い、労働者の専門スキルを活用し、業務内容・勤務場所を選択できる制度です。

 

日本の雇用契約は「メンバー型雇用」と言い、業務内容・勤務場所を選択できずに企業の構成員として採用する制度です。

 

 

業務内容・就業場所が選択できない雇用契約のまま「裁量労働制度」「高度プロフェッショナル制度」の浸透は厳しい環境であると言えるでしょう。

 

 




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