看護師という職業でも、フリーランスのように仕事をしていく方法があることをご存じでしょうか。
病院勤務は激務で、人間関係も大変な仕事だと思います。疲れてこのまま続けるのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、ひとつの病院に縛られず、いろいろな職場で働いてみたいという考え方から、フリーランスとして働く道を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
厳密に言うと、フリーランスは雇用関係によらない働き方(委託契約など)のため、看護師としてフリーランスとして働くことは難しいです。しかし、複数の診療所や病院に掛け持ちで勤務することで、フリーランスに近い働き方をすることは可能です。
※委託契約では契約の範囲内の仕事をすることで報酬を得るため、指揮命令権が依頼者側に無く、通常の看護業務ではそういった契約を結ぶことは少ないです。
今回は、フリーランスのように働く看護師としての生き方にポイントをあてて、解説していきます。
フリーランスのように働く看護師とは
「白衣の天使にあこがれて、ナースになったけど、病院勤務は労働時間も人間関係も大変で疲れてしまった。仕事は好きだから続けたいけど・・・」
という悩みを持つ看護師の方は多くいらっしゃるようです。
看護師の働き方として、病院で正社員として勤務するという形のほかに、アルバイトをするという方法があります。
アルバイトの場合、一つのところで雇用されるだけでしたら、働く時間は少なくなるかもしれませんが、働き方としては普通に病院に勤務するのとあまり変わりません。
もし、医療機関で働きながら看護師としてのスキルを保ち、一方で介護施設などで患者と向き合っていきたいというように、二つ以上の場所での勤務を希望する場合には、時給も比較的よく求人も多い派遣看護師に登録することがおすすめです。また、単発のアルバイト、非常勤、派遣を組みあわせていくこともできます。
看護師は国家資格ですので、知識と経験を活かし活躍していける職業です。病院勤務に疲れてしまって、仕事が好きなのに仕事を辞めたいと悩まれている方は、自分にあった働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
メリットとデメリット
まずはメリットとデメリットを把握して、フリーランスのように働いていけるのかどうかを検討してみましょう。
<メリット>
1. 人間関係のストレス軽減
いくつかの現場や病院をかけもちすることになります。病院勤務の人間関係に大きなストレスを感じている方には、一つの職場に縛られなくなることはストレス軽減になりそうです。
2. 時給が高くなる
非常勤や派遣会社の時給は、正社員で勤務する場合よりも一般的に高めになります。
3. 自分の都合にあわせてスケジュールを組める
正社員として病院に勤務する場合は、交代で夜勤をしたり、人手が足りない場合には時間外労働をしたりする場合があります。しかし、非常勤や派遣を掛け持ちするのであれば、夜勤をしたくない場合には夜勤のない仕事を選ぶことができますし、働いた分だけお金を稼ぐことができます。
4. キャリアアップにつながる
一つの職場でしか働くことのない病院勤務に比べて、様々な現場を経験することができるので、自身のキャリアアップにつながっていきます。
<デメリット>
1. 初対面の人とのコミュニケーションが苦手な人には向かない
いくつかの職場を掛け持ちしたり、常に新しい現場に向かうような仕事になると、初対面の人と仕事をしたり、新しい人間関係を作ったりしていかなければなりません。初対面の人とのコミュニケーションが苦手な方は、強いストレスを感じてしまうことが考えられます。
2. 通常業務以外の業務が発生する
病院勤務のときには給料から天引きされていた健康保険料、厚生年金を自分で支払っていかなければなりません。また、いくつかの職場を掛け持ちする場合には、自分で確定申告の手続きをして所得税を計算することになります。
3. 勤務スケジュールが不安定になる可能性がある
自分が仕事をしたいときに仕事があるとは限りません。また、たくさん仕事がある場合のスケジュール管理は自分でしていかなければなりませんので、病院勤務の場合より不安定なスケジュールとなる場合もあります。
4. 新しい知識は自分で勉強する必要がある
様々な現場を経験していくことができるということはメリットである反面、デメリットにもなりえます。新しい現場では新しい現場の仕事の方法などを覚えなければならず、新しい知識を自分で勉強して覚えていかなければなりません。
看護師として働ける現場
看護師としての経験を生かしながら、常に新しい現場で働いていきたいという好奇心旺盛な方には、看護師でもフリーランスのような働き方は向いていると言えるでしょう。
病院勤務に疲れてしまって仕事を辞めたいと思われている方には、新しいことに向かう意欲が湧いてこないかもしれません。しかし、看護師という仕事が好きな方であれば、病院勤務でのストレスが無くなれば、また仕事をしていきたいと思えるのではないでしょうか。そんな方は、まずはゆっくりと自分の時間を持ち、休みをとることをおすすめします。その上で、次のステップを考えていくようにしましょう。
フリーランスのように看護師として活躍されている方は、どんな現場で働いているのかをご紹介しますので、参考にしてみてください。
<病院への応援としての勤務>
病院勤務も、正社員としての勤務ではなく、人手が足りない部署への応援として、非常勤で働くのであれば働いてもいいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
募集時に、どのような部署でどのようなスキルを持った看護師を募集しているのかが出ていますので、自分の得意な分野へ応募するのもよいと思います。
<デイサービス>
介護施設などで、患者さんや来訪者の健康管理をしていく仕事です。病院勤務に比べて、患者さんと向き合う時間が長く、一緒に体操をしたり話を聞くことも仕事の一つとなりますので、比較的ゆったりと仕事をしやすいです。
<介護の訪問入浴>
時給は高めで求人も多くありますが、かなりの肉体労働です。入浴前のバイタルチェック、入浴介助、入浴後の処置などを行います。
<健康診断>
健康診断は、一時期に集中することが多いので、募集も健康診断の多い春と秋に集中しています。仕事の内容は、採血・血圧測定・聴力測定・視力測定などです。採血のみ、血圧測定のみといった募集をしているところもあります。
普段は主婦業や子育てに忙しい方のスポット的な働き方としてもよいですね。
<イベントやツアー>
イベントでの仕事は、コンサート会場、イベント会場、スポーツ大会などで待機し、けが人や病人が発生したときに救護する仕事です。ツアーでの仕事は、修学旅行などの旅行につきそい、けが人や病人が発生したときに救護する仕事です。
いろいろな会場や旅先に行くことができるので、人気の高い仕事でもあります。応急手当や、アレルギーの処置などのスキルが必要となります。
最後に
看護師といってもいろいろな仕事がありますね。他にも様々な募集があります。どんな求人があるのかを探すだけでも、病院勤務で疲れている方にとっては、次の新たな可能性が見えてきて、疲れが和らぐのではないでしょうか。
フリーランスのように働く場合には、収入や時間は不安定になりがちです。でも、せっかく国家資格である看護師となり、人の役にたつ素晴らしいスキルと経験をもっているのですから、病院勤務に疲れてしまって仕事を辞めたいと思われている看護師の方は、ぜひ次の活躍できる場の参考にして頂けたらと思います。
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