フリーランスの退職金?小規模企業共済を利用しよう!

フリーランスの退職金?小規模企業共済を利用しよう!
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小規模企業共済は、節税などでフリーランスにとって強い味方となる制度です。今回は、その小規模企業共済制度について解説いたします。

 

 

 

 

フリーランスと小規模企業共済

 

小規模企業共済とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が主催する共済制度のことです。「企業」という名前がついていますが、個人事業主でも利用できます。

 

小規模企業の役員や個人事業主を対象としており、事業を廃止した場合など備えて掛金を積み立て、積み立ててきた掛金に応じて共済金を受け取ることができます。個人事業主が事業を廃止したとき、会社等の役員が退職したときなどの生活資金等を、あらかじめ積み立てておくための共済制度として運営されています。

 

フリーランスにとっては、退職金のようなものになります。

 

大企業の役員や従業員であれば、多くの場合、退職時には退職金を受け取ることができます。対して、中小企業の役員では、満足な退職金が支給されないこともあります。

 

また、フリーランス(個人事業主)には、そもそも退職金自体ありません。自分で貯金をして、仕事ができなくなったときや老後のための資金を作るのは大変ですが、小規模企業共済を利用すれば、いくつかのメリットを受けながら、仕事ができなくなったときのための資金を作っていくことができます。

 

この中小企業基盤整備機構は経済産業省所管の独立行政法人で、公表している資料によると、平成28年3月末の在籍件数は約165.7万件あり、安心して利用できる制度になっています。

 

 

 

 

小規模企業共済に加入するための条件

 

小規模事業共済に加入するためには、加入条件があり、フリーランスであれば誰でも加入できるわけではありませんので、しっかりと加入条件を確認しましょう。

 

フリーランスであることが前提であるとすると、加入条件は、開業届を出していることが必要です。また、フリーランスに多い宿泊業・娯楽業以外のサービス業では、従業員が5人以下であることが必要です。

 

配偶者等の事業専従者は加入資格がありませんが、共同経営者の要件を満たしていれば、共同経営者として加入することができます。

 

 

共同経営者要件とは、

 

「事業の重要な業務執行の決定に関与していること、または、事業に必要な資金を負担していること」
「業務執行に対する報酬を受けていること」

 

の要件を満たしている方です。簡略化すると、経営に携わっていて、専従者給与を受けていたらOKです。

 

 

フリーランスでは、サラリーマンをしながら兼業でアパートやマンションを経営しているといった方もいると思いますが、給与所得者が副業として事業を行っている場合には、加入資格がありませんので、注意が必要です。

 

 

 

【参考・参照サイト】

『加入資格』(中小機構)

 

 

 

 

小規模企業共済に加入するメリット

 

1.掛金の支払い時

 

小規模企業共済に加入する2大メリットの一つが、掛金の全額を「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除できるということです。

 

年末調整や確定申告で所得税の計算をするときに、税金の計算の基礎になる所得から、掛金として支払った金額を控除できるので、節税効果があります。(年間最大掛金84万円で住民税も合わせた税率が30%とすると、節税額25.2万円になります。)

 

年末調整や確定申告用に「掛金払込証明書」が発行されますので、その書類を確定申告時に添付します。

 

 

 

 

2.共済金の受け取り時

 

共済金は、退職金のかわりとして一括して受け取ることも、分割で受け取ることもできます。要件を満たして一括で受け取った場合には、退職所得扱いとなります。これがもう一つの大きなメリットです。

 

退職所得扱いとなった場合には、税負担が大幅に軽くなります。退職所得の場合は、退職金から控除額を引いた金額に1/2をかけた金額が所得として計算されます。控除額は積立期間に応じで変わってきます。控除額が共済金額の額より大きくなれば、共済金に対する税負担がゼロということもあります。

 

また、要件を満たさない状況で解約したり、分割して受け取ったりする場合には、雑所得か一時所得の扱いとなります。要件を満たして分割で受け取る場合は、雑所得でも、公的年金等の扱いを受けますので、他に年金があまりない場合は、有利になることもあります。

 

ただ、要件を満たしていない状況での任意解約などであれば、一時所得となり、税金が大きくなる場合もあるので要注意です。

 

 

 

【参考・参照サイト】

『共済金および解約手当金は税法上どのように取り扱われますか。』(中小機構)

 

 

 

 

3.定期などに比べ、利回りが高い

 

最近は、定期でも利率が0.01%など、ものすごく低くなっています。対して、小規模企業共済は、下記のいずれかに当てはまるときは、高い利回りで共済金を受け取ることができます。

 

・個人事業を廃止した場合
・個人事業を譲渡した場合
・65歳以上で180月以上掛金を払い込んだ場合
など

 

(例)月1万円を20年掛け続けると、共済金Aでは2,786,400円

 

 

 

【参考・参照サイト】

『共済金(解約手当金)について』(中小機構)

 

 

 

 

4.貸付制度が利用できる

 

小規模企業共済に加入していると、通常の銀行借り入れよりも有利な条件で、事業資金などを借り入れすることができます。(貸付限度額は、掛金の7割~9割)

 

事業が順調にいき、拡張しようと思ったときに、融資を受けることを検討することになることもあるかもしれません。また、一時的に売り上げが減った場合に、緊急に資金が必要になることもあります。そのような場合に、担保や保証人不要で貸付制度を利用できます。

 

 

 

 

5.無理のない範囲で掛金を選ぶことができる

 

小規模企業共済の掛金は、月額1,000円~70,000円の範囲で自由に選ぶことができます。

 

事業であまり利益が出ていないときにも、毎月1,000円程度でしたら無理なく払っていくことができます。また、掛金の増額や減額(要件あり)ができますので、状況に変化があった場合にも対応することができます。

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小規模企業共済を利用するときの注意点

 

小規模企業共済はメリットの多い制度ですが、利用するときには納付期間に気を付けなければなりません。

 

納付月数が12か月未満だと解約手当金を受取ることができず、また納付期間が20年未満だと解約手当金は掛金総額を下回ってしまいます

 

メリットを最大に受けるためにも、上記の要件を満たした共済金を受け取るようにしましょう。

 

12か月以上、掛金の支払いを滞納すると強制解除されることもあります。支払いが困難なときは、まず減額手続きをしましょう。また、原則として掛け止めはできませんが、要件を満たせば最大12か月掛け止めできます。

 

小規模企業共済を利用するときには、加入のシュミュレーションをして、受取ることのできる共済金の額や加入後の節税効果について試算をしてみて、加入するかどうか決めるようにしましょう。

 

小規模企業共済に加入したときのシュミュレーションについては、小規模企業共済のホームページで簡単に行うことができます。

 

 

小規模企業共済の『加入シュミュレーション』ページ

 

 

 

 

最後に

 

小規模企業共済は、フリーランスが節税を考えるときに、最初に検討すべきもので、多くの方が加入しています。節税対策だけでなく、退職金の代わりとして、老後の資金の備えに大きな役割を果たすでしょう。

 

加入条件を満たす場合には、無理のない掛金で始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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