【Cool Workerなヒトビト】Vol.13 クリエイティブなはたらき方

今回はVol.9で取材させていただいた鈴木さんからのご紹介、デザイン会社HI MOJIMOJIの経営やライター業、専門学校の講師まで手がける松岡厚志さんだ。
自分の好きなことの延長から多方面で仕事をされている松岡さんに、クリエイティブな働き方についてのヒントをお伺いした。
どんな状況でもクリエイティブに
大学在籍時に出版社を志望していたという松岡さんは、進路について迷っていた時期にゼミの教授に勧められ広告代理店でインターンを始めた。その際にできた人脈で大学卒業を待たずしてライティングやウェブ制作等の仕事を請け負ったのがきっかけで、いきなりフリーランスとして社会に出た。松岡さんはそこから約15年間ご自身の頭と手足を使い、フリーランスを続けてきたという強者だ。
「今まで一度も電車通勤はしたことがありません。好きな仕事なので、基本的に楽しんでやっています。フリーランスになって悪かったことを強いて言えば、会社で教わるであろう社会人のマナーが身につかなかったことと、社内恋愛できなかったことでしょうか(笑)」
平日は主に10時から18時30分までデザイン業を中心に行い、すき間を見つけてライター業に精を出していると話す。フリーランスとしてのキャリアはライター業から始まったが、現在の仕事の分量はデザイン業が大半を占める。仕事で逆転現象が起こったきっかけは、リーマンショックだったと話す。
「広告関係のライティングをしていたので、リーマンショック後に仕事が落ち込んでしまいました。ライター業はクライアントから引き受ける仕事ですが、それ以外に、自分でゼロから作れるものが必要だと感じました。そこで文房具や雑貨をデザインし、デザインフェスタに出展したところ高評価を頂き、そこから現在の仕事に繋がりました。」
松岡さんの“ベンチャー文具”は軌道に乗り、今年で7年目。奥様と共同で会社を経営する醍醐味は特別なものだと言う。
「仕事中に夫婦でいる時間が長いので多くの雑談をします。その中で新たなアイデアが生まれることもあります。仕事以外の日々の会話から生まれることもあります。ですのでミーティングの時間は設けてないんです。」
小規模経営だからこその強み。それは何気ないコミュニケーションから生まれるアイデアだったりする。大手メーカーだと目をつけない部分にも思考が行き届く。それが一番の強みだと松岡さんは話す。
状況も環境もクリエイトする
人間関係に関してもクリエイティブなアイデアをお持ちで、誰かにご飯を奢られたら別の誰かに奢ることで奢りの連鎖を作リ出せるという興味深いロジックを語る松岡さんにはある目標がある。
「松本人志さんが、「世界で一番笑い声を聞ける人間になりたい」とおっしゃっていましたが、僕はモノを作ったり書いたりすることで「なるほど!」と人が膝を打つ音を世界で一番聞ける人になりたいと思っています。名付けて「Kneepon from Nippon(ニーポン・フロム・ニッポン)」です。」
アイデアベースで世に新しいモノを作り出せる方だからこそ、掲げる目標も斬新だ。やりたいことが多すぎて手が回らないと人に頼みそうになるが、結局は自分で全て作りたいと言うクリエーターならではの悩みもあるが、ネットでヒット商品を生み出すという先見性も持ち合わせているのが松岡さんの強みだ。
「今後は夫婦2人でできることを追求しながら規模を広げていこうと思っています。その一貫で多くの時間を割いていた出荷管理等をアウトソースし、場所に捉われない働き方を実現しつつあります。渡り鳥のように、自分にとっていい環境を求めて移動できるのも目標のひとつです。」
そんな、ご自身の“渡り鳥プロジェクト”をリクナビNEXTジャーナルで連載中だ。松岡さんのアイデアと行動から今後も目が離せない。
こだわりのツール
・iPad Pro
・Apple Pencil
・ほぼ日手帳
・自社製品の耐水メモ「TAGGED LIFE GEAR」、7分割できるブロックメモ、名刺ケース
「特に耐水メモ「TAGGED LIFE GEAR」は、アウトドアでも使用できるグッドデザイン賞も受賞しているメモ帳で、おすすめです。」
最後に松岡さんに聞いた。お気に入りの仕事場は?
「もちろん、Basis Point です(笑)」
松岡さん、どうもありがとうございました!
この記事を書いたのは

- ライター
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1989年生まれ。フリーのイラストレーター・フォトグラファー。
仕事と遊びの境目を果てしなく曖昧にすることが生涯の目標である。
趣味は歌(ラップ)・映画鑑賞・自然と戯れること。