
女性にとって出産は人生の大きな転機。
「仕事を続けたい」と思う人はワーキングマザーの道へ、「子育てに専念したい」と思う人は専業主婦の道へ、それぞれ全く異なる道を進むことになります。
しかし、「子育てに専念したいけれど、仕事も諦めたくない」という人はどうすれば良いのでしょうか。
仕事か子育てかという二択ではなく、その中間の働き方があったら?
自宅で仕事ができて、自分の裁量で仕事量を調節することができるライターという仕事は、そういった悶々とした思いを抱えているママたちにとって、まさに理想の働き方なのかもしれません。
今回は主婦として子育て中心の生活を送りつつ、在宅でフリーランスライターとして働いているずぼらふとこさんに、「子育ての合間にできる」と話題のママライターの実態について聞いてみました。
ずぼらふとこさんプロフィール
慢性的な軽度の統合失調症を患いながらも、妊娠と出産を経て、女の子ママとして日々奮闘中。
産後2~3ヶ月でライターに復帰し、子育ての合間に在宅で仕事をこなす。
この春からは、娘を保育園に預けて本格的にフリーランスライターとして活動を再開。
得意分野は子育て系、グルメ、料理レシピなど。
ツイッターID:@zuborahutoko
ブログ:『Schizo mam|統合失調症と向き合いながら、心と子供を育てる暮らし』
Q.いつからライターの仕事を?ライターを志した理由は?
ライターを始めたのは3年前から。
持病のせいで、外で定職についても人間関係が急に嫌になり、すぐに辞めてしまうことが多くてなかなか続かなかったというのが一番の理由です。
結婚を機に専業主婦になりましたが、何か自分にできる仕事を少しでもしたいとずっと思っていて、そんな中で在宅での仕事を探している時にWebライターという職業を知りました。
すぐに企業にメールしたりクラウドワークスに登録したりと、とにかく行動に移しました。
完全出来高性なのも、怠け者の自分に合っていると思い(!)頑張っています。
Q.ただでさえ睡眠不足になりがちな産後、寝不足になっていませんか?
産後2~3ヶ月の時にライター業に復帰しましたが、幸い子供が夜けっこう寝る子だったので大丈夫でした。
自分でも睡眠時間を削ってまで仕事はしないように心がけていたこともあり、寝不足にはなっていません。
持病を抱えているので、意識して睡眠を取るようにしていたというのもあります。
睡眠不足だと体調が崩れてしまうので。
ライター業に勤しむのは、もっぱら昼間、娘が昼寝している間だけです。
稼働時間が短いので収入はなかなか上がりませんが、自分の体調第一!という感じのスタンスです。
Q.1日のスケジュールは?仕事時間はどう捻出していますか?
産後すぐの時は、赤ちゃんは大体2~3時間おきに寝ますよね。
なので、娘が寝たらすぐに仕事をするようにしていました。
正直なところ、自分も一緒に昼寝したり、ダラダラしたりしたい気持ちもありましたが、そこは自分にムチ打って!
実際、家事育児だけの生活を送っていた時に比べて、仕事をしている時の方が自分自身の気分転換になっていました。達成感がすごくて。
娘が産後5ヶ月くらいになると、朝寝と昼寝、夕寝とリズムができてきたので、私も1日の仕事の予定を立てやすくなりました。
産後8ヶ月くらいからは、娘も起きている時間が長くなってきたので、朝寝と昼寝の時だけでなく、夜寝た後も少し仕事していました。
Q.1ヶ月の仕事量(時間)と収入は?
正直言って、収入は雀の涙です。
昼間に家事育児をやりながら細切れで仕事をしていたので、1日書けても2000字から3000字程度。
稼働時間としては、合計で2時間~4時間くらい。
最初の頃は単価も低く1文字0.4円などざらで、収入にすると1ヶ月で1万~1万5千円でした。
自分のちょっとしたお小遣い程度という感覚で稼いでいました。
Q.育児と仕事の両立で大変なことは?どうやって乗り切っていますか?
育児しながらの仕事は、やはり大変です。
自分の思い通りになんて、これっぽっちもなりません。
集中してきたと思った途端に娘が起きてしまい、仕事を中断せざるを得なくなったり、締め切りが近くて仕事をやらなくちゃいけない時に限って、娘がいっこうに寝てくれなかったり。
気を付けているのは、納期にかなり余裕を持つことと、疲れたときは休むこと。
これは育児しながらの仕事において、かなり重要だと思います。
また、仕事の依頼を受けたとき、クライアント様には0歳児の育児中であることを理解してもらうようにしています。
在宅といっても人対人で仕事をしているので、その辺のコミュニケーションにはかなり気を使っています。
できることとできないことははっきり伝えつつ、何かあったときはすぐにスマホで連絡できるようにして、相手に不安感を与えないようにしているつもりです。
Q.育児と仕事の両立をしていて良かったと感じることは?他の人にもおすすめしたい?
育児にじっくりと関われることは、娘の成長の喜びを目の当たりにすることができて嬉しいです。
しかし、1人で自宅にこもっているとストレスを感じることもあります。
ライターの仕事をして集中している時は、一時的ではありますがストレスを忘れられます。
また、仕事をすることによって育児や家事では得られない仕事特有の達成感が得られるので、そういう時は仕事を頑張って良かったと思います。
私の場合は、自宅でマイペースに仕事することがストレス発散になっています。
しかし、納期を守りながらのライター業は、それなりの責任感と覚悟がないとできないことでもあると思います。
そういった働き方が合う人もいれば合わない人もいると思うので、一概にいろんな人におすすめ!とは言えません。
私のようにマイペースに仕事したい人には合っているかもしれません。
Q.今後の目標は?どんな働き方を目指していますか?
娘が10ヶ月を過ぎた頃から、保育園に預けて在宅フリーランスという働き方にシフトしました。
現在娘が保育園に通っている8時45分〜15時30分までは集中して仕事ができる環境になりました。
自分自身に合ったペースで働き続けたいと思っています。
なにせ持病という爆弾も背負っていますから、無理は禁物ですね。
今は主婦の経験を活かしながら、料理記事を書くのが楽しいので料理のジャンルでもっと活躍するのが目標です。
レシピ記事や食に関する記事など仕事の幅広げたいですね。グルメライターにも興味があります。
収入面では、ライター業を継続することで、単価を上げて月5万~6万稼げればいいなあと思っています。
Q.同じように自宅で子育てしつつライターを目指す方へ応援メッセージをひとことお願いします!
子供が一番大事、でも何らかの形で働いてお金を稼ぎたいという気持ちを持っている人ってかなり多いと思います。
ライター業なら、自分に合った働き方を自分自身で確立することができます。
育児中でもいろんな可能性、選択肢がたくさんあってワクワクする職業だってことを知ってもらえたら嬉しいです!
私もまだまだ駆け出しの初心者ライターですが、自分の理想の働き方を目指して雀の涙の稼ぎでもめげずに頑張っています。
ぜひ一緒に頑張り続けましょう!
まとめ
今回のトピックは、実は私自身とても気になっていたテーマでした。
私は子供を出産後、産休・育休を経てワーキングマザーとして働き続ける道を選択しましたが、「本当にこれでよかったのだろうか」という悩みは常にありました。
結局会社を退職し、フリーランスのライターとして開業。
出産前からライターに転身していたらもっと子育てに関わることができたのではないか、と後悔にも似た気持ちを持っていたからです。
今回ずぼらふとこさんのお話を聞き、子育てしながらの在宅ワークは良い点もありますが、やはり大変だし、子供が小さい間は仕事量もかなりセーブする必要があるということもよくわかりました。
それでも「いろんな可能性、選択肢がたくさんあってワクワクする職業」というずぼらふとこさんの考えに、私も100%同意します。
子育てと仕事、どちらかを選ぶ必要はなく、ありのままの生き方が仕事になる……。
ライター業は、そんなマイペースに生きたい方にぴったりの職業だと思います。
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