
突然ですが、あなたの名刺にはどんなことが書かれていますか?
一般的に名刺に書かれているものといえば、社名・所属部署・肩書・氏名・連絡先です。会社勤めの人の名刺は、その企業の知名度が高いほど、とてもシンプルな内容にまとめられています。
一方でフリーランスの名刺は、シンプルなものから詳細な情報が書かれたものまで様々あります。
名刺は営業活動を行う上で重要なアイテムです。しかし、名刺が営業ツールになるとはいえ、思うほど仕事に繋がらず、経費ばかりがかかっている人も多いようです。
実は、仕事を呼ぶ名刺にはあるポイントがあるのです。
これまで名刺の改良を重ねてきた私が『仕事に繋がる名刺』のポイントをご紹介します。
ブランディングが成功していれば名刺はシンプルでいい
ブランディングとは、ブランド戦略ともいわれ『○○といえば××』で言い表せる価値のことです。逆に『××といえば○○』でも表現できるものでもあります。
知名度がある企業の名刺がシンプルなのは、その企業がブランディングに成功しているからです。
企業に限らず、フリーランスもセルフブランディングに成功していれば、『屋号・氏名・連絡先』だけで十分仕事を得ることができます。
ブランディングができていないフリーランスの場合は、シンプルな名刺を受け取ったところで、それだけであなたが何をしている人なのかわかりません。
具体性を盛り込むことによって、ブランド構築やあなたがどのような事業者なのかが伝わりやすくなります。
ブランディングについては、Cool Workersの次の記事で詳しく解説しています。
『【ブランディング】フリーランスは自分をPRする方法を身につけよう!』
『フリーランスが仕事を勝ち取るためのヒント【セルフブランディング】』
肩書きに事業説明をさせない
名前の上や右肩に「エンジニア」や「ライター」といった肩書きを書くことがあります。名刺を営業ツールにしたければ、肩書きで自分の事業を説明させてはいけません。
なぜなら、肩書きはあくまでも世間一般で見て、自分がどんなジャンルに属しているのか、その属性を言い表しているに過ぎないからです。
たとえば、「フリーエンジニア」と肩書きにある場合。
ITに詳しくない人からすれば「へえ、エンジニアなんだ」程度の認識です。
一方、ITに詳しい人や同業者から見れば、どの分野に強いエンジニア(技術者)なのかがわかりません。
どの相手にも、あなたが何をしている人物なのか正しく理解してもらえなければ、名刺を渡したところで、仕事獲得には結びつきにくいのです。
では、肩書きに詳細な内容を書けばいいかといえば、それもまた違います。
文字数の多い肩書きをイメージしてみてください。読むだけでも大変ですし、あなたの氏名がパッと見て読み取ることができません。
ましてや、肩書きが入るのは名刺の表面。ここに文字数が密集していると、デザインとしても不格好です。
このことから、肩書きはシンプルであるべきだといえます。
名刺の裏面を使って事業内容の説明を
あなたがどんな事業をしているのかを相手に伝えるのにベストなのは、名刺の裏面を使うことです。
たいていの名刺は裏面が空白か、支店などがあればその事業所案内が書かれています。
フリーランスで事業規模が大きくないのであれば、裏面にあなたの事業内容を書きましょう。それを読むだけで、あなたの事業が相手に簡単に伝わるようになります。
私の名刺の裏面も、ほぼ半分が事業内容で埋め尽くされています。
たとえば、私の肩書きは『ライター』です。
しかし、それだけでは抽象的過ぎて、どこでどんな記事を書いているライターなのかがわかりません。ですから、名刺の裏面には、詳しい事業内容を載せています。
●WEBサイトの記事作成代行(コラム、ブログ記事、物販等)
●紙媒体の文章作成代行(社内報、カタログ、パンフレット等)
●報道機関等へのリリース文章作成代行
私は取材やインタビュー対応もしています。それもわかるように掲載しています。また、これらの他にも書籍執筆や翻訳なども手掛けていますので、次のような文言も入れてあります。
●書籍執筆の代行
●英和・和英翻訳対応
これらを見て、あなたは私がどのようなライターなのか、おわかりいただけたのではないでしょうか?
事業内容を載せるときは、相手に具体的に理解してもらえるかどうかがポイントです。
簡潔にわかりやすい言葉で載せる
私のようなライターは、記事作成のことを一般的に「ライティング」と呼びます。
ですが「ライティング」という言葉に馴染みがない人にとってみれば、まず「ライティング」の意味を理解することから始めなければなりません。
少人数での集まりであれば、一人ひとりに説明することも可能かもしれません。ですが、毎回そうやってあなたが説明できるわけではありません。
たとえば、あなたの名刺をもとに誰かがあなたを紹介しようとしても、その人がきちんと説明できるかといえば、それは保証できません。万が一、誤って理解されていれば、間違ったまま別の人に伝わってしまうこともあるのです。
それを防ぐには、名刺できちんと事業説明ができていることが重要です。
そうすれば、名刺を見るだけで、相手はそれをそっくりそのまま伝えることができますし、相手にも誤った情報が流れずに済みます。
また、理解しやすい言葉を使うことによって、説明する側の知識や価値観に左右されることなく相手に伝わるので、あなたの事業を求めている人と縁を繋げてもらいやすくなるのです。
裏面で使うフォントデザインは既存フォントがおすすめ
オシャレな名刺にしたいからと見慣れない形状のフォントを使うのも、相手に読みづらさを与えてしまうことになります。
オリジナリティあるデザインフォントの場合は、漢字や英数字の判別がつきにくいものもあります。使用する際には、フォントサイズにも気を配り、読み間違いが起きないかどうかもチェックします。
私も一時期、ライターっぽさを出そうとデザインフォントを多用していたことがあります。
ところが、名刺はそのサイズの小ささから、印字できる範囲にも限りがあります。
それを考慮しておかないと、文字種によっては文字が潰れたり、別の文字との違いがわかりづらくなったりしてしまいやすいのです。
OAソフトに標準登録されている既存フォントだと、誰もが見慣れた形です。間違って伝わると困るものは、既存フォントを使うことをおすすめします。
既存フォントであれば、多少文字サイズが小さくなろうと、読み間違いを防げるからです。
デザインフォントを使う場合は、表面の利用に留め、フォントサイズに気を付けましょう。
最後に
私は、これまでに5回ほど名刺を改良してきました。
一番最初に作ったのは、肩書きと名前、連絡先のシンプルなものでした。
あまりにシンプル過ぎて、渡すたびに事業内容を聞かれていたものです。ですが、その割に仕事が入ってきたことがありませんでした。
それから、何をどのような文言で載せるかなどを改良を加えて、現在は本記事でご紹介した内容の名刺に落ち着いています。
何をしているかが明確になっているので、受け取った側も自分の事業にマッチするかどうかがイメージしやすいようです。名刺交換をした時点で相手に必要とされていなくても、名刺を渡してしばらく時間が経ってから連絡をもらうこともあります。
その内容は、お仕事の依頼や相談、知人などの紹介とさまざま。いずれにしても仕事に繋がるものばかりで、改良は成功しているといえます。
あなたもぜひ真似てみてくださいね。
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