フリーランスは「クライアントの悩みの解決」をしないと詰む話

「継続案件がもらえない…」
フリーランスなら、一度は感じたことのある悩みではないでしょうか。
わたしも苦しんだ時期がありましたし、今でも「昔以上の努力」を続けています。
では、継続案件を獲得し続けるには、何に着意すればいいのでしょうか。
この記事では、わたし自身が失敗から学んだことをお伝えします。
わたしはWebライターですが、業種に関係なくフリーランス全般に言える内容になっています。
そもそも継続案件をもらえないと、何が困るのか
継続案件とは、ある程度の期間、継続的に発注してもらう案件のことです。
フリーランス(受注者)としては、納品のクオリティはもちろんですが、日頃のコミュニケーションなども含め、クライアントとの間に信頼関係を作るのが重要になります。
では、継続案件をもらえないと何に困るのでしょうか。
わたしの経験から、以下のことが言えます。
・収入が不安定になりやすい(だから不安にもなる、焦る)
・新規クライアント開拓に時間がかかる(この作業はもちろん無給)
・スキルアップがしにくい
・以上のことから、自信がなくなる
今では継続して発注いただけることが増えましたが、副業時代、独立当初の心配は今よりも多かったですし、苦労したものです。
継続案件をもらえず、苦しんだ副業時代~独立初期
今思い出しても苦しくなる経験があります。それは、継続案件がもらえなかったどころではありませんでした。
会社員をしながら、副業ライターをしていた頃のこと。
あるクライアントの最初の案件で納品した際、納品物に不満があったのか、お互いちょっと気まずい雰囲気になりました。次の案件も発注いただいたのですが、その案件が完了する前に途中で連絡をもらえなくなってしまったのです。
何がいけなかったのかわからず、悶々としながら他の案件をこなしました。
継続となったものも、そうでないものもありましたが、ハッとするアドバイスを先輩ライターからもらいました。
それは、「徹底してクライアント目線に立ち、クライアントの抱える悩みを解決しなさい」というものです。
継続案件とならなかった失敗の多くには、以下のような共通点があるのに気づきました。
・案件の目的がわかっていない
・クライアントが対象としているユーザーを把握していない
・完成イメージをクライアントと共有していない
要は、作業を進めることだけでいっぱいいっぱいになっており、「納品の先」を意識していなかったということです。クライアントの意図にそぐわない納品になっていたことでしょう。
発注いただく案件は、クライアントの抱えている作業の一部です。
もちろん納品は重要ですが、「納品の先」に目を向けるべきだったのです。
クライアント目線に立ち、クライアントの抱える悩みを解決するのに必要なこと
自分自身の視野の狭さに気づき、「徹底してクライアント目線に立ち、クライアントの抱える悩みを解決する」よう、仕事の仕方を変えました。
例えば、わたしのようなWebライターは端的に言えば「記事の納品者」ですが、メディア運営に携わる1人でもあるはずです。この観点を持ち、積極的にメディア運営に関わるような仕事の進め方をするようにしました。
すると、目に見えて仕事の幅が広がり、単価も上がるようになりました。
クライアントの抱える悩みを把握し、解決するために実践したのは、以下の3つです。
①クライアントのイメージしている完成形を把握する
②クライアントと自身の認識を合わせるための手段はすべて使う
③案件に直接関係ないところでも問題点を見つけたら指摘・提案する
それぞれ、詳しく紹介していきます。
クライアントのイメージしている完成形を把握する
依頼内容に従っている“つもり”で作業を進めてしまうと、クライアントのイメージしている形とは異なってしまうことがあります。
的外れな納品をしてしまうと継続案件はもらえません(これは過去のわたしです)。
まずは、クライアントの抱える悩みがどんなことなのかを考え、それに関する情報を集めましょう。その上で依頼内容を確認し、求められている納品イメージをクライアントとすり合わせます。
わたしはWebライターですから、クライアントが悩んでいることは「サイト訪問者(読者)の悩みをいかに解決するか」であると考え、イメージしている記事の形を確認するとともに、競合サイトや主な読者、解決したい読者の悩みを確認するようにしました。
「ライバルサイトのURLを教えてください、当方で確認します」
「記事のイメージは〇〇のような感じでいいですか?」
「主な読者は、働き方に悩みを抱えた20代~30代ですよね?」
このように、クライアントに質問しています。
クライアントからの答えがはっきりとしない場合は、自らリサーチしてクライアントに逆提案もします。
すると、積極的な印象を持ってもらえますし、何より納品の質がグンと上がります。
また、状況によっては「これもお願いできたりしますか?」などと、新たな受注につながることもあるのです。
クライアントと自身の認識を合わせるための手段はすべて使う
リモートでクライアントとコミュニケ―ションを取る場合、メールやChatework、Slackなどのテキストメッセージのやり取りが基本になります。
しかし、それだけでは不十分と感じるときは、状況に応じて使える手段はすべて使います。
テキストだけでは不十分な状況 |
用いる手段 |
---|---|
記事表現の微妙なニュアンスの確認 |
・電話 |
テキストでは表現しにくい説明 |
・写真や絵、図や表を活用 |
商材の実物確認 |
・関連店舗に足を運ぶ ・クライアント本社に直接伺う ・関連サイトを確認しつつ、電話など |
このように、あらゆる手段を使ってコミュニケーションを取り、クライアントと自身の認識を合わせることが大切です。
わたしは商材の実物確認のためにクライアントの本社に直接伺ったところ、とても感心していただき、単価アップと別案件の受注につながりました。
現在は新型コロナウイルスの影響で直接伺うことは難しいと思いますし、そもそも地理的な問題があるかもしれません。必要に応じ、Zoomなどを活用したミーティングなどを申し入れるといいでしょう。
案件に直接関係ないところでも問題点を見つけたら指摘・提案する
「クライアントの悩み」を考えながら仕事をしていると、案件とは直接関係ない部分で問題点を見つけることがあります。
気づいたことは、指摘・提案するのがいいでしょう。
例えば、Webライターのクライアントの悩みには「いかにサイト訪問者の悩みを解決するか」があるので、メディアに問題があれば、記事(納品)に直接関係のない部分でも指摘・提案します。
・サイト上の広告が若干多く、見にくいと思う利用者もいるかもしれません
・記事のURLは日本語よりも英語の方が扱いやすいので、修正いただくことをおすすめします
・お問い合わせフォームで画面の拡大・縮小をすると段ずれが起こるので確認をお願いします
これらはすべて、わたしが実際にクライアントにお伝えしたことです。
経験がないと、「こんなこと指摘してうるさがられないかな?」と不安に思うこともあるかもしれませんが、その必要はありません。
記事とは直接関係がなくても、メディア運営において役立つ指摘は本当に感謝されます。
もしかしたら、あなたのクライアントも積極的な指摘を待っているかもしれませんよ。
最後に
これまでに何度か、「継続案件につながらない…」という悩みの相談を受けました。
やり取りをして感じたのは、みな、以前のわたしのように「目の前にある仕事のクオリティを上げることだけ」を考えているということでした。
逆説的ですが、目の前にある仕事のクオリティを上げるには、目の前の仕事だけを見ていては限界があります。その先を見る必要があるのです。
厳しい言い方かもしれませんが、目の前を見るのは当たり前(だれでもしていること)です。
いかに先を見て、クライアントの悩みを把握し、解決のお手伝いをできるかが、フリーランスとして一つ頭を抜けるために必要なのだと思います。
クライアントも常に完ぺきとは限らず、受注しているフリーランスの方がその分野の専門性が高いことは少なくありません。
フリーランスは、「自分に何ができるのか」について今一度洗い出してみるのがいいのではないでしょうか。
この記事を書いたのは

- ライター
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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