
「仕事は何をされていますか?」
「在宅フリーランスでライターをしています。」
「在宅で働けるなんてすごいですね!私なら、ダラダラしちゃいそうで無理かな…」
上記は私が自分の周りで日常的に交わす会話です。
自分の働き方について「フリーランス」や「在宅勤務」という言葉を出すと、ほとんどの相手が上記のような返答を口にします。
フリーランスとして在宅で働いている私ですが、確かに、やる気がおきず1日中ダラダラとテレビを見てしまったり、ネットサーフィンしたりして過ごしてしまう日もあります。
また、なんとなく体調が悪い日は、最低限の作業だけ片づけ、休日でもないのにベッドに横になっていることもあります。
そう言うと、「フリーランスはやっぱりダラダラしてしまうのか」と思われても仕方がないかもしれません。
しかし、私はフリーランスだからこそ、だらける日もあっても良いと思うし、またダラダラすることにメリットもあると感じています。
それでも、仕事はしっかり全うできているのがフリーランスの不思議なところ。
今回は私が「ダラダラしたって良いじゃない!それこそフリーランスの醍醐味だ」と思う理由と、自宅でモチベーションを上げるための工夫についてご紹介します。
自分の体調に向き合い無理せず働けることはフリーランスのメリット
会社員が就業時間内にダラダラしていると、社内の秩序を乱し、周囲に悪影響を与える可能性があります。
「あの人は休憩しているのに、私ばかり仕事をしている」と周りの人たちが思ってしまうと、職場全体のモチベーション低下につながりかねません。
つまり、会社員が職場でダラダラすることは、一般的に悪と考えられるのは当然のことです。
しかし、周囲への影響を考慮しなくても良い在宅フリーランスの場合はどうでしょうか。
誰にも迷惑をかけず、仕事をしっかりやっているのであれば、好きなだけダラダラしても良いのではないでしょうか。
実際、ダラダラすることによるメリットもあります。
それはずばり、自分の体調に向き合えること。
例えば、飲み過ぎた日の翌朝、無理して仕事をせずとも、多少寝坊して体調の回復を優先させることができます。子供の夜泣きがひどくて寝不足なら、仕事の合間に仮眠をとることもできます。
フリーランスは働く場所も時間も自由に決められるので、体調が悪いときは無理に働かず思う存分ダラダラし、その代わり、体調が万全のときに休んだ分を取り返せばよいのです。
私はフリーランスライターとして開業してから、自分の体調の変化に敏感になりました。
それまで会社員として働いていた時は、多少の不調でも無理して出勤するのは当たり前。ギリギリまで無理して、ある時パタリと倒れてしまうというような経験もありました。
しかし、在宅ワークを始めてからは、「今日はなんだかやる気がおきないな」という日は、あまり頑張りすぎず、無理せず過ごすようにしています。
そのおかげか、熱を出したり、めまいで倒れたりというようなことは全くなくなりました。
日ごろからダラダラしていることによって、長い目で見ると自分の体調管理ができているのだと前向きに捉えています。
心配しなくても、切羽詰まれば働ける
前項で「ダラダラしても良いじゃない」と公言した私ですが、そこには「仕事さえしっかりやっているのであれば」という枕詞が隠れていることを付け加えておきます。
肝心の仕事をせずにダラダラ休憩ばかりしていては、無収入になってしまいます。
そうすると、当然ながら生活が成り立ちません。
しかし、心配しなくても大丈夫です。
フリーランスになって私が気づいたのは「収入に対する執着心は、意外と強いもの」ということ。
毎月決まった金額のお給料がもらえる会社員と違い、フリーランスは完全出来高制です。シビアな世界ではありますが、「働いた分だけ報酬がもらえる」という「おいしい」経験をすると、より多くの収入を得ようと自然とモチベーションが上がるものです。
1日の仕事を終えると、「今日は〇〇円の売り上げだった」とつい金額に換算してしまう癖が私にはあります。
それが満足のいく金額なら嬉しいですし、「明日はもっと頑張ろう」というモチベーションにもなります。
一方で、ダラダラ過ごしてしまい、ほんのわずかな金額しか稼げなかった日は、「このままじゃだめだ!」と危機感を持って反省することもあります。
お金にシビアなフリーランスだからこそ、「ダラダラしたい」という欲求よりも「もっと稼ぎたい」という欲求の方が上回るのではないかと私は感じています。
それでもモチベーションを上げられないときは?
切羽詰まれば働けるものの、できれば最初からテキパキ働きたいものですよね。
在宅ワークをしていても、しっかりオンとオフを切り替えるために、私が実践している工夫を4つご紹介します。
①散歩
パソコンに向かう仕事の人は、とにかく電子機器から離れる時間が必要。
お金がかからず、短い時間でできて、気軽にどこでもできる散歩は、在宅フリーランスに最適のリフレッシュ方法です。
1日1万歩を目指し長時間歩くよりは、短時間の軽い散歩を1日に何度もする方が、リフレッシュ効果を何度も感じることができるのでおすすめです。
②計画を立てる
仕事にとりかかる前に、短期、中期、長期の計画を立てると、精神的に仕事に追われることが少なくなります。
私の場合は、手帳のマンスリーカレンダーのページを使い、毎月頭にその月に仕上げたい仕事をリストアップしておきます。
毎週月曜には、リストアップした仕事の中で、特にその週頑張りたい仕事にマークを付けます。また、毎日朝必ず手帳を広げ、優先順位を考えながら仕事にとりかかります。
無計画で仕事をしていた時期は、常に締め切りに追われている感覚で、精神的なストレスが大きく負担に感じていました。また、仕事の見通しがつかないので、月の前半には「まだ大丈夫だろう」という根拠のない安心感によってダラダラしてしまいがちでした。
しかし、計画を立てながら仕事するようになってからは、月初から一定の緊張感を持って仕事に取り組めるようになりました。
仕事の進捗状況を常に確認できるので、やみくもに不安を感じることも減りました。
終わっていない仕事があっても「このペース配分なら締め切りに間に合う」という安心感があるので、ストレスもほとんど感じません。
③ポモドーロ・テクニック
仕事を25分間続けた後に、5分間の休憩をとるという時間管理術を「ポモドーロ・テクニック」と言います。制限時間を設けることにより、集中力を高め、仕事の効率を上げることを狙った方法です。[1]
25分間が妥当な時間かどうかは、人それぞれだと思います。
私の場合、25分間は少し短すぎるので、「午前中にここまで仕上げよう」や「おやつタイムまでにこれを終わらせよう」というように、時間を区切って集中力を高めています。
しっかり集中できると、その後の休憩時間もより贅沢に堪能できます。
④コワーキングスペース
人の目を気にせずダラダラできるのがフリーランスの醍醐味と前述しましたが、その逆の発想で、あえて人目につく場所に自分を置くという方法もあります。
フリーランスやリモートワーカーが利用するコワーキングスペースで仕事をするという方法です。
いつもと違う空間に身を置くことによって、新鮮な気持ちで仕事に向かうことができます。また、少なからず周囲の目線を意識することで、姿勢が正され、仕事モードになれます。
周りの人たちが頑張っている姿を見ると、「自分も頑張ろう!」と前向きになれます。そこでの出会いやつながりによって、新たな知識を得たり、好奇心を刺激されたりすることもあります。
最後に
ダラダラしながらも、自分が決めた目標に向かって試行錯誤し、自分なりの働き方を目指すことができるフリーランス。
「ダラダラしちゃいそうで無理」とは言わずにあなたも一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
<参考・参照サイト>
[1] 「ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた」(ニューズウィーク日本版、2019年3月22日)
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