【Cool Workerなヒトビト】Vol.20 求められているものを好きになる

今回は、元俳優という経歴をお持ちの川口美樹さんにお越し頂いた。健康のカウンセリング事業から始まって、現在では執筆活動、ワインの販売、「人前での話し方」の講演活動・企業研修の講師という幅広いお仕事をされている川口さんに、フリーランスとなった経緯や仕事観についてお聞きした。
–現状のお仕事内容を教えて下さい。
執筆業については、2つのオウンドメディアを中心にオピニオン記事を書いています。一つはビジネスエリート向けの記事、もう一つは恋愛についての記事になります。
ワインについては、メインの仕事ではないのですが、販売権を持っていて営業代行をしています。
仕事の比重としては講師業が一番重くて、企業に入って「人前での話し方」を教えています。「従業員がお客様にどう接するか」「社内のプレゼン力を高める方法」「人事が会社をどう紹介するか」などを指導させて頂いています。
–俳優から現在の仕事に転向されたきっかけを教えてください。
俳優をやっていた時に肌荒れが酷くて、美容外科で3年弱の間、治療もしたのですが治りませんでした。そこで、ファスティング(断食)をやってみると半年ぐらいで治ったんです。
お医者さんの技術で治らなかったものが、ファスティングとう民間療法でするっと治った。そのギャップが気になって、勉強を始めました。周りの方からその肌の変化について聞かれている内に、ある芸能事務所に呼ばれて10人ぐらいに教えたんです。その時に頂いた報酬が1時間半で1万円。当時のアルバイトの時給が1,200円だったので、これはすごいなと(笑)。
–執筆をお仕事に選ばれたのは、なぜですか?
ブログに書いていた記事が、ベンチャー企業の出版事業部の目に留まって、本を出しましょうというお話を頂きました。それで、あ、自分の文章は飯の種になるんだなと気づきました。
–「人前での話し方」を教え始めたのは?
ファスティングのセミナーをやっているときに、アンケートで「話し方が面白いですね」というお声をちょくちょく頂きました。それで調べてみると、面白くかつ楽しく伝える話し方を体系立てて教えているところ が ほとんど無いことがわかったんです。
僕の場合は、どの仕事もこれがやりたいと思って始めたものでは無いんです。
–それに気づいて仕事にしていくってすごいことですね。
役者を目指していたので、サラリーマンという選択肢がそもそも思い浮かばなくて、役者で食えない以上何かで稼ぐ必要があって、その必要性からですね。
–今は、サラリーマンはどうですか?
選択肢としてはありだとは思います。固定給があるって素晴らしいことですね。その時々で必要な働き方ができればいいと思っています。時間的に拘束されたりするので、今は必要が無いと思っていますけど。
–朝から夜遅くまで仕事されているようですが、休日はあまり取らないですか?
定期的に休む必要は無いと思っています。休もうと思えば休めるので、基本的には仕事を入れています。丸一日休むのは、一ヶ月か二ヶ月に一回ぐらい。スマホなどを持たずに旅館などに行って頭の中の棚卸をしています。
–スマホの電源などを切るのは不安ではありませんか?
納期を守って仕事をしていますし、事前に取引先にも伝えてありますので大丈夫です。
–人間関係で気を付けていることはありますか?
「人は変えられない。自分が変わるしかない」と思っています。変わるきっかけを周りが与えることはできるけど、その人が変わるかどうかはその人が決めることですよね。そこは切り分けて、無理だったらアプローチを変えるために自分が変わった方が早いし、自分の成長に繋がります。
–将来の目標や展望はありますか?
義務教育に演劇の授業を入れることです。
そこまで明確に動いているわけではなりませんが、演劇にはそれだけの価値があると思っています。
–失敗談はありますか?
契約書を作り忘れてお金を貰えないっていう。これ、フリーランス初期のあるあるですよね(笑)。先に契約せずに納品までしてしまって、結局うやむやにされるっていう。だから、お互いに仕事をする約束として、契約書を作るのがいいと思っています。
–「自由な働き方」をご紹介していくメディアとして Cool Workers を運営しています。何か読者の方に向けてお言葉を頂けませんか?
何か働き方にもやもやして悩んでいるときは、自分の好きなことって何だろうと考えさせられると思います。でも、好きなことを仕事にしても必ずしも幸せにはならないんですよ。 これは芸能界で痛感したことです。仕事に対する考え方を変えないと、仕事を変えても幸せにならないと思うんです。「好きな仕事を探す」よりも「求められているものを好きなる」方が大事だと思っています。
–人から求められているものを好きになるコツってありますか?
「自分自身がどういう人間で、何を大切にしていて、どんな生き方をしていきたいか」そういう生き方の方向性をいったん決めた方がいいと思います。ありたい自分像が決まるとそれを実現するための手段として仕事を捉えられるようになります。すると当然パフォーマンスも高くなるので、感謝や評価をされるようになって好きになってくるんです。
最初から好きを仕事にすると、仕事の好きじゃないところが目立って嫌になります。それよりも求められることを好きになった方が感謝もされるし、どんどん仕事の好き具合が増していきます。僕は後者の方が好きを仕事にできる方法だと思いますけどね。
川口さんの言葉は心に突き刺さるものが多く、頭の中の整理ができている印象を受けた。僕自身が非常に勉強になった。
–最後に、お気に入りの仕事場は!?
もちろん、Basis Pointです(笑)。
川口さん、どうもありがとうございました!
この記事を書いたのは

最新の投稿
- 2025年2月19日ビジネススキルPREP法とは?具体例で学ぶ効果的なビジネスコミュニケーション術【完全ガイド】
- 2025年2月16日社員研修なぜ今コミュニケーション研修が必要なのか? | 目的から効果的な導入まで
- 2025年2月13日社員研修新人研修・新入社員研修完全ガイド|目的・内容・実施方法を詳しく解説
- 2025年2月10日ビジネススキル組織における相互理解の重要性と実践的アプローチ