
新型コロナウイルス感染症の影響で、出社しなくても自宅で仕事ができるテレワークに注目が集まりました。
テレワークは、通勤ラッシュによるストレスを感じずに生活できたり、これまで通勤に費やしていた時間を有効活用できるなど大きなメリットがあります。
公益財団法人 生産性本部が行った調査では、新型コロナ収束後も「テレワークを続けたい」と考えている人は全体の6割以上いることがわかりました。[1]
一方で、6割以上が自宅での勤務によって効率が下がったと感じていることも、同調査で明らかになりました。[2]
テレワークの課題として挙げられた項目の中でも「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」と回答した人は、全体の4割以上という結果になりました。[3]
フリーランスとして2年以上在宅ワークを行ってきた私も、効率的な在宅ワークには環境の整備が必要という考えに同感です。
自宅で仕事をするようになってから、ひどい肩こりに悩まされたり、オンとオフの切り替えが難しかったり、在宅ワークならではの悩みがつきませんでした。
しかし、この春、新居への引っ越しを機に、思い切って在宅ワークスペースに投資し、理想の書斎を完成させました。
ポイントは「毎日机に向かいたくなること」と「オンオフの切り替えをしやすいこと」、そして何より「疲れにくいこと」です。
今回は、我が家の自慢のワークスペースをご紹介しながら、効率アップにつながる仕事環境の作り方をご紹介します。
「家族の書斎」がテーマ!我が家の在宅ワークスペース
我が家が家族全員の書斎としているのは、リビングの隣の6畳ほどの部屋です。
リビングルームとの境目には可動式のパーテーションがあるので、集中したい時はパーテーションを閉め、個室にすることもできます。
家族の書斎という発想のきっかけとなったのは、小学校入学を控える長男の勉強机の購入でした。
子供のリビング学習に興味があった私は、せっかくなら子供だけでなく親も一緒に勉強(仕事)しよう!と思いつき、家族全員が同じスペースで仕事や勉強ができるコワーキングスペースのような部屋を目指すことにしました。
部屋の大部分を占める大きなデスクは、イケアで購入した6人掛けのダイニングテーブルです。
家族4人全員が座り、パソコンやノートを広げても比較的スペースに余裕があるので気に入っています。
椅子はそれぞれバラバラに調達しました。私は以前住んでいた家で使っていたオフィスチェアを引き続き使用しています。
子供たちには、ベルメゾンで購入した「姿勢が良くなる」と話題の学習チェアを。
夫は昔から使っている木製の椅子をとりあえず使っていますが、近々オフィスチェアを購入したいと言っています。
部屋の西側に大きな窓があるので、日中室内は比較的明るいのですが、手元をしっかり照らすため、必ず天井のスポットライト照明を付けます。
5つ並ぶスポットライトは、それぞれ角度や向きを変えられるので、照明を取り付けた際に、各人の手元が明るくなるよう一つ一つ調節しました。
また、押し入れが二つあり、子供用収納と大人用収納として現在整理中です。
壁にはマグネットボードを付け、子供の小学校や保育園のスケジュールなどを貼っています。
目に見える場所に「お気に入り」を取り入れれば、毎日机に向かいたくなる
会社で仕事をしている場合でも、自分のデスク周りにお気に入りのアイテムを取り入れている方が多いのではないでしょうか。
好きなものに囲まれていると、リラックスできたり仕事に集中しやすくなったりしますよね。
その効果は自宅でも同じです。
私の場合は、机の上はすっきりさせたいので、小物などは置かず、必要最低限の道具だけを置き、家具にこだわってみました。
パソコンを置くデスク(ダイニングテーブル)は、しっかりとした木目調のもので、手を置くと木の柔らかな質感とぬくもりを感じることができます。
また、大きな窓にかけるカーテンは、カーテンショップに何日も通って選び抜いたお気に入りの一品。ふとパソコンから顔を上げた時に、窓から差し込む光が柔らかく心地よいです。
ワークスペースの壁にお気に入りの絵を飾ったり、パソコンの壁紙をリラックスできる風景にしてみたり、植物を飾ってみたり、他にもさまざまな方法が考えられます。
必要最低限の仕事道具だけでシンプルに整理整頓すれば機能的ですが、デスク周りのちょっとした「ときめき」が翌日へのやる気につながることもありますよ。
小さくても仕事するためだけの場所を確保すれば、オンオフの切り替えが可能
書斎という場所に憧れを持つ人も多いのではないでしょうか。
仕事をするためだけの静かなスペースがあると、仕事と私生活の切り替えがしやすく、在宅でも仕事に集中することができます。
私は以前、食事をとるダイニングテーブルをワークスペースとして使っていました。
冷暖房設備が整っていて、窓が近くて明るく、飲み物などをすぐに取りに行けるという点が決め手でした。
しかし、仕事中にキッチン周りやリビングの床の汚れが気になってしまい、つい掃除してしまうことが多々ありました。
また、子供たちが自宅にいる時間は、子供に話しかけられたり、子供の行動が気になったりして、仕事に集中するのが難しいと感じていました。
家事や育児をしながら仕事できるという点ではメリットと考えられなくもないのですが、なかなか仕事モードに切り替えられないというのはデメリットです。
現在はリビングの隣の部屋を家族の書斎とし、リビングに背を向けて机に向かっています。
リビングで子供がテレビを見ていたり、キッチンで夫が料理したりしている時もあり、生活音はしっかりと聞こえますが、仕事のための場所という意識があるだけで作業に集中しやすくなったと感じています。
食事の度に仕事道具を片付けなくて良いのも、生活空間と仕事空間を分けるメリットの一つです。
我が家は、新居への引っ越しを検討する際、すでに夫婦ともに在宅勤務をする予定があったので、多少都心部へのアクセスが悪くても住居全体の広さを重視して新居を選びました。
さらに、子供の勉強部屋を家族の書斎とすることで、一部屋で家族全員の書斎スペースを確保することができました。
しかし、都心部では書斎のための部屋を確保するというのは難しい場合が多いでしょう。
「書斎=部屋」と考えるとなかなかスペースの確保が難しいのですが、パソコン一台を置けるだけのちょっとした空間と考えれば、広い空間がなくても書斎スペースを確保することが可能ではないでしょうか。
私の知り合いには、ウォークインクローゼットの奥を改造して約一畳の「こもり部屋」を作ってしまった人がいます。
リビングやベッドルームの一角に机を置くだけでも書斎スペースを作ることはできますよね。
ほかにも、キッチンカウンターや押入れの一部にパソコンスペースを作るなど、家の中で工夫できる場所はたくさんあります。
椅子や照明、収納道具にはとことんこだわって!疲れにくさが効率アップへの一番の近道
冒頭で紹介した生産性本部調査でテレワークの課題として挙げられた物理的環境の整備は、やはり快適な在宅ワークスペース作りの大きなポイントです。
私は、在宅ワークを開始した当初、元々家にあった木製の椅子を使って仕事していました。
しかし、毎日何時間もその椅子で作業しているうちに、肩こりや頭痛がひどくなってしまいました。
慢性的な疲れは、日々の作業効率ダウンに直結します。毎日使うものだからこそ、できれば疲れにくく体への負担が少ないものを選ぶのがおすすめです。
私は在宅ワーク2年目に本格的なオフィスチェアを購入しました。腰にクッションをあてるなど、家にあるもので工夫してみても良いですね。
肩こりへの対策としては、パソコンの高さや角度を調節し良い姿勢を保てるようにしてくれる便利アイテムもあります。
ノートパソコンのキーボードの下にあてるノートパソコンスタンドやデスクトップパソコン用のモニター台です。
ちょっとした収納機能が付いているアイテムもあり、デスク周りが綺麗に片づけられて一石二鳥ですね。
また、手元や作業スペース全体を明るく照らしてくれる照明もぜひこだわりたいポイント。
薄暗い環境では目が必要以上に疲れてしまいます。部屋の明かりがついていても、自分の頭や家具が影にならないよう、机の向きも調節しましょう。
他にも、書類や文房具を整理する収納道具や、BGM用の音響設備、リラックスできるアロマデフューザーなど、こだわりたいポイントは人によってさまざまですよね。
あれもこれもとこだわり始めるとキリがありませんが、自分にとって「ここは譲れない」という部分にはぜひこだわってみるのも快適な空間作りに大切なポイントです。
まとめ
生活の拠点である自宅で集中して仕事をするためには、完璧な仕事部屋があれば全てうまくいくというわけではありません。
オンとオフを上手く切り替え、無理せず在宅ワークを継続するためには、こだわりたいポイントを絞り、工夫しながらワークスペースを作っていくことが大切です。
<参考・参照サイト>
[1]「新型コロナウイルスの感染拡大が 働く人の意識に及ぼす調査 調査レポート」(公益財団法人 日本生産性本部、2020年5月22日、p.12)
[2]「新型コロナウイルスの感染拡大が 働く人の意識に及ぼす調査 調査レポート」(公益財団法人 日本生産性本部、2020年5月22日、p.11)
[3] 「新型コロナウイルスの感染拡大が 働く人の意識に及ぼす調査 調査レポート」(公益財団法人 日本生産性本部、2020年5月22日、p.12)
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