フリーランスの青色申告はたった1つの条件さえクリアすれば3つのメリットが享受できる


フリーランスの青色申告はたった1つの条件さえクリアすれば3つのメリットが享受できる

フリーランスになったら避けては通れないのが税金関係。サラリーマンやアルバイトのように給与をもらって働いている人には必要のない確定申告ですが、フリーランスならきちんと自分でお金を管理して申告を行う必要があります。

 

今回は青色申告と白色申告、それぞれの申告方法の違いについて紹介します。

 

 

申告の前に知っておきたい 所得と控除

 

収入に応じて税金が上がるというのは実は正確ではありません。たとえば年間500万円の売り上げがあるとしても、経費が100万円の人と200万円の人では手元に残る金額は異なります。

 

売上から事務所の家賃や通信費などの諸経費を引いたものを所得といいます。基本的には、所得に応じて税金の額が変わります。経費とは「仕事に関係するものの費用」ですので、電話料金やネット代といった通信費、コピー用紙や名刺などの消耗品費、看板やチラシに使った広告宣伝費などがあります。

とはいえ、どこまでが経費だという明確な線引きはありません。仕事に関連するというしっかりとした裏付けがあるものなら経費として申告すればよいでしょう。

 

そしてもう1つ重要なのが、控除です。

 

フリーランスの場合、国民健康保険や国民年金などの社会保険料は、収入から差し引かれて振り込まれるのではなく手元に残ったお金、つまり所得から支払うことになります。社会保険料などはさらに税金を安くするための控除のもととなります。控除とは「売上-経費」で手元に残る所得から、さらに引いてもよいという特典のことです。

 

実際の課税対象となるのは「所得-控除」の金額となるので、控除が多ければ多いほど最終的に支払う税金は安くなります。青色申告や白色申告といった申告方法によって控除が変わってきますので、フリーランスが受けられる控除については後述します。

確定申告には種類がある?青色申告と白色申告の申請方法とその違い-1_r

 

 

申告するなら青色申告 特別なメリットがたくさん

 

確定申告の申告方法には2つあります。青色申告と白色申告です。サラリーマンのような給与所得者と、フリーランスのような事業所得者、ここの違いは経費の扱いと青色申告を選択できるか否かの2点です。

 

青色申告を選ぶだけで受けられる控除や特典があります。青色申告は難しいというイメージがありますが、実は青色申告にはさらに2種類あるのをご存じでしょうか。

「10万円控除」と「65万円控除」の2種類があり、専用の会計ソフトを使って帳簿をつけるなどの必要があります。

しかし前者の10万円控除の方は白色申告とほとんど手間の違いはありません。白色申告でないと受けられないメリットというものはありませんので、難しそうだから白色申告で、と考えず10万控除でもよいので青色申告を選択しておいた方がよいでしょう。

 

青色申告だけが受けられる控除があると述べましたが、白色申告の場合は全く控除が受けられないというわけではありません。前項で述べた社会保険料などは申告方法に関わらず控除の対象です。ここからは青色申告だけが受けられる主な控除やメリットについて紹介していきます。

 

 

 

 

青色申告特別控除

 

青色申告を選んだことで得られる控除です。「10万円控除」と「65万円控除」の2種類があります。所得から10万円ないし65万円を差し引くことができるということになります。

たとえば住民税なら一律で10%ですので、10万円控除なら1万円、65万円控除なら6万5千円も住民税が安くなるということになります。

 

 

 

 

青色専従者給与

 

同一生計の配偶者など(たとえば専業主婦の妻)をフリーランスで働く自分のアシスタントなどにすると、妻に給与として支払った金額を経費とすることができるようになります。

これは白色申告では受けられないメリットです。

 

 

 

 

純損失の繰越控除

 

赤字を翌年に繰り越せるというものです。

赤字の翌年に黒字化したとします。すると翌年に支払う税金は当然高くなりますよね。赤字を繰り越せるということは、翌年の所得から赤字分の金額を控除できるということです。

これも青色申告だけのメリットです。

 

 

 

10万円控除と65万円控除の2つの青色申告は控除金額以外の違いはありません。65万円控除でないと受けられないさらに別の控除があるわけではありませんので注意してください。

確定申告には種類がある?青色申告と白色申告の申請方法とその違い-2_r

 

 

メリットの多い青色申告を行うためには条件がある

 

青色申告を行うには管轄税務署への申請が必要です。1つの区のなかに複数税務署があることもあるので、自身の管轄税務署がどこになるのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

 

青色申告を行うには開業から2か月以内か、その年の3月15日までに申請をする必要があります。突然思い立っても翌年からになるということもありますので注意してください。

 

税務署には「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。これは税務署のHPなどで印刷が可能です。65万円控除なら簿記方式を複式簿記に、10万円控除なら簡易簿記を選択し、必要事項を記入して提出します。

 

税務署に書類を提出する際に同時に行いたいのが開業届の提出です。青色申告はサラリーマンが行うことができないフリーランス特有の申告方法です。自分がサラリーマンでなくフリーランスであることを証明するために開業届が必要になります。

開業届を提出すれば、銀行口座に〇〇事務所などといった屋号をつけた口座を作成することができるようになります。

 

こちらの記事でも詳しくご紹介していますので読んでみてください。
フリーランスを目指すなら必見!開業届と青色申告承認申請書のいろは

 

 

 

 

まとめ

 

青色申告と白色申告の違い、所得や控除について紹介しました。

 

フリーランスであれば避けて通れない確定申告、税金を安くするためには青色申告を選んだ方がよいでしょう。同じ収入でも、白色申告に比べて税金の支払い額が少なくなるというのは大きなメリットです。

 

複雑な帳簿をつけなければならないというイメージがありますが、会計ソフトを使えば問題なくできるということも多いです。それでも不安なら10万円控除の青色申告を選べば白色申告と手間はさほど変わりません。

 

確定申告書は、サラリーマンの源泉徴収票のようなもの。自分の所得を証明するために欠かせないものです。ローンを組む場合などに必須のものですので、日頃から収支や経費の管理などを欠かさないようにしましょう。青色申告を行うための申請は忘れないようにしてください。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。