PREP法とは?具体例で学ぶ効果的なビジネスコミュニケーション術【完全ガイド】

PREP法とは?具体例で学ぶ効果的なビジネスコミュニケーション術【完全ガイド】

「つまり何が言いたいの?」

「結論から言って」—— 

ビジネスの現場でこのような指摘を受けた経験はありませんか?

多くのビジネスパーソンが経験するこうした状況を、効果的に改善する手法があります。

それが「PREP法」です。

本記事では、ビジネスコミュニケーションを劇的に改善するPREP法について、実践的な例文とともに詳しく解説します。

この手法を身につければ、あなたの説明はより分かりやすく、説得力のあるものになるはずです。

PREP法の基本:4つのステップで伝わる説明を作る

PREP法とは、説明や提案を効果的に行うための構成手法です。

Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)という4つのステップで説明を組み立てていきます。

この順序で話を進めることで、聞き手の理解を促進し、より効果的なコミュニケーションを実現できます。

各ステップの詳細解説

Point(結論)

最初の「Point(結論)」では、あなたが最も伝えたいことを簡潔かつ明確に述べます。

ここでは遠回しな表現を避け、端的に核心を伝えることが重要です。

たとえば「新しい在宅勤務制度の導入を提案します」というように、明確な表現を心がけましょう。

Reason(理由)

次の「Reason(理由)」では、なぜその結論に至ったのかを論理的に説明します。

この段階では、感覚的な理由ではなく、データや事実に基づいた説明を心がけることで、説得力が増します。

「従業員満足度調査での要望が高く、業務効率の向上も期待できるため」といった具合です。

Example(具体例)

「Example(具体例)」では、理解を深めるための具体的な事例やデータを示します。

「他部署での試験導入では、生産性が15%向上し、残業時間が平均して月10時間削減された」というような具体的な数値やケースを挙げることで、提案の実現可能性や効果を示すことができます。

Point(結論)

最後に再度「Point(結論)」を述べることで、メッセージを印象付けます。

ここでは最初とは少し表現を変えて「新制度の導入により、働き方改革を推進したい」というように、より具体的なアクションも含めると効果的です。

PREP法のメリットとデメリット

PREP法の活用には、明確なメリットとデメリットがあります。

その特徴を理解することで、より効果的な活用が可能になります。

メリット

コミュニケーションの明確さ

PREP法の最大のメリットは、コミュニケーションの明確さです。

結論から話すことで、聞き手は話の方向性を即座に理解できます。

これにより、「結局何が言いたいのか」という不満が解消され、スムーズな意思疎通が可能になります。

時間効率の改善

時間効率の改善も重要なメリットです。説明が構造化されているため、無駄な説明や質問が減少し、会議や打ち合わせの時間を大幅に短縮できます。

特に多忙な上司への報告や、大人数での会議では、この効率性が大きな価値を持ちます。

説得力の強化

説得力の強化も見逃せません。

論理的な構成と具体例による裏付けにより、提案や説明の信頼性が高まります。

感覚的な提案ではなく、根拠のある説明として受け止められやすくなるのです。

デメリット

柔軟性の制限

一方で、PREP法にはいくつかの注意点もあります。

最も大きな課題は、柔軟性の制限です。

感情的な要素を含む話や創造的な議論には不向きな場合があります。

形式的になりすぎると、カジュアルな会話や親密なコミュニケーションでは不自然に感じられることもあります。

準備時間が必要

また、効果的な活用には準備時間が必要です。

即興での使用は難しく、事前に構成を考える時間が必要になります。

特に慣れないうちは、この準備に時間がかかることも考慮に入れる必要があります。

緊急時の報告には向かない

さらに、緊急時の報告など、状況によっては適切でない場合もあります。

そのため、場面や状況に応じて使い分けることが重要です。

実践的なPREP法の例文集

PREP法の効果を最もよく理解できるのは、実際の業務シーンでの例を見ることです。

ここでは、日常的によく遭遇する場面での活用例を紹介します。

企画提案の場面

まず、よくある企画提案の例を見てみましょう。多くの方が陥りがちな説明の仕方は以下のようなものです。

「最近、競合他社の動きが活発になってきていて、このままでは市場シェアを落としかねないと考えています。
それで、マーケティング施策を見直してみたんですが、SNSの活用が弱いことに気づきました。他社はインスタグラムとTikTokを活用していて…」

このような説明では、聞き手は「結局何がしたいのか」が最後まで分からず、理解に時間がかかってしまいます。

では、同じ内容をPREP法で説明するとどうなるでしょうか。

「SNSマーケティングの予算を現在の2倍に増額したいと考えています。
これは、競合他社のSNS施策が功を奏し、若年層の市場シェアが前年比15%減少しているためです。
具体的には、競合A社のインスタグラム施策により月間エンゲージメント数が当社の3倍を記録し、商品認知度が大幅に向上しています。
そのため、SNSマーケティング予算の倍増を提案させていただきます。」

このように説明することで、提案の意図が明確になり、データに基づいた説得力のある説明となっています。

業務改善の提案

日常的な業務改善の提案でも、PREP法は効果を発揮します。

以下は会議の頻度見直しを提案する例です。

改善前の説明

「毎週の定例会議なんですが、みなさん結構忙しそうですよね。私も準備に時間がかかっていて、他の業務に支障が出ているような気がします。できれば…」

PREP法を使用した説明

「週次定例会議を月2回に変更することを提案させていただきます。現在、会議準備と参加で1人あたり週4時間が使われており、業務効率の低下が課題となっているためです。
先月の調査では、部署メンバーの80%が『会議準備のために残業が発生している』と回答しています。より効率的な業務遂行のため、会議頻度を半分に減らすことを検討いただけないでしょうか。」

PREP法の効果的な活用シーン

PREP法は、ビジネスの様々な場面で活用できます。

特に効果を発揮するのが文書作成の場面です。報告書や企画書、ビジネスメールなど、書面でのコミュニケーションでは、構造化された説明が読み手の理解を助けます。

口頭でのコミュニケーションでも、その価値を発揮します。

プレゼンテーションや会議での発言、上司への報告など、限られた時間で効果的に情報を伝える必要がある場面で特に有用です。

話す内容を事前にPREP法で整理することで、より分かりやすい説明が可能になります。

近年増加しているオンラインコミュニケーションにおいても、PREP法は非常に効果的です。

画面越しのコミュニケーションでは、対面以上に明確な説明が求められます。

ビデオ会議やチャットでの報告、オンライン商談など、非対面でのコミュニケーションにおいて、PREP法は説明の構造化を助ける重要なツールとなります。

PREP法習得のためのトレーニング方法

PREP法の習得には、段階的なアプローチが効果的です。

最初は日常的な簡単な報告から始めましょう。

たとえば、毎日のメール作成時にPREP法を意識することから始めるのがおすすめです。「結論→理由→具体例→結論」という流れを意識しながら、徐々に慣れていくことが大切です。

次のステップとして、会議での発言やプレゼンテーションなど、より複雑な説明に挑戦していきます。

この際、重要なのが振り返りです。説明後に同僚や上司からフィードバックをもらうことで、より効果的な改善が可能になります。

さらに実践的なトレーニングとしては、自分の説明を録音して振り返ったり、同僚とロールプレイングを行ったりすることも有効です。

特に、録音した説明を聞き直すことで、自分の説明の癖や改善点に気づきやすくなります。

PREP法活用の注意点

PREP法を効果的に活用するためには、いくつかの重要な注意点があります。

まず、すべての場面でPREP法を使おうとするのは適切ではありません。

感情的な共感を得たい場面や、創造的なブレインストーミング、相手との対話を重視する場面では、より柔軟なアプローチを選択すべきです。

また、PREP法を使用する際は、相手と状況に応じて説明の詳細度を調整することが重要です。

形式的になりすぎないよう、必要に応じて補足説明を加えたり、よりカジュアルな表現を使ったりするなど、柔軟な対応が求められます。

PREP法の効果的な活用に向けて

PREP法は、ビジネスコミュニケーションを効率的かつ効果的にする強力なツールです。

結論を先に伝え、理由と具体例で裏付け、再度結論を示すという明確な構造により、相手の理解を促進し、説得力のある説明を実現します。

日々の業務の中で意識的に活用し、徐々にスキルを磨いていくことで、より洗練されたビジネスパーソンへと成長できるでしょう。

最初は少し手間を感じるかもしれませんが、継続的な実践により、自然とPREP法を使いこなせるようになっていきます。

この手法を身につけることで、あなたのビジネスコミュニケーションは確実に進化します。ぜひ、明日からの業務で実践してみてください。

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この記事を書いたのは

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