これからフリーランスを目指す方も、すでにフリーランスとして活躍されている方も、フリーランスという働き方が将来的にどうなるのかは気になるのではないでしょうか。フリーランスという働き方が現在どうなのか、また、将来どうなるのか各種の統計調査から類推します。
統計から推察するフリーランスの実態
よく見聞きし、辞書にも載っている「フリーランス」ですが、日本政府によって定義された言葉ではありません。
そのため、残念ながら、国勢調査や労働力調査、就業構造基本調査等の政府統計からフリーランスの正確な人数やその増加率を把握することはできません。
フリーランスの定義に近いものを探すと、事業所得の確定申告を行った人数が国税庁のレポートにありました。企業に属するサラリーマンは給与所得として確定申告を行いますが、個人事業主として業務を行うフリーランスは事業所得の申告が必要です。
国税庁レポートでは、平成20年には147万人だった事業所得として申告を行う人の人数が平成27年には170万人へと増えていました。この数字には法人化しているフリーランスが含まれない上に、副業で事業収入がある人も含まれてしまいますが参考となる数字と言えます。
また、クラウドソーシング企業であるランサーズが実施するフリーランス実態調査2016では、国内のフリーランス人口は1,064万人おり、前年度より17%増加しているとのことです。ただし、この調査では副業を行う人もフリーランスとしてカウントしているため上述の定義よりも数字が大幅に増えています。
政府統計と民間調査のそれぞれで、定義や調査方法が異なるために正確な実態は見えないのですが、傾向としてフリーランスは人数増加していると言えます。
フリーランスの未来
では、フリーランスの未来はどうでしょうか。国外の数字ではありますが、2014年9月にアメリカ合衆国にあるフリーランスのための労働組合が発表した“Freelancing in America:A National Survey of the New Workforce”によると、アメリカ合衆国でのフリーランス(個人請負)は2110万人、に上るとのことです。
この数は労働人口の13%にもなります。労働力の国際化が進む中、日本のフリーランス割合もこの数字に近づいていくと思われます。
また、少し古いデータですが、矢野経済研究所「クラウドソーシングサービス市場に関する調査結果 2014」によると2012 年度から 2018年度までの年平均成長率(CAGR)が 60.5%で推移、2018 年度のクラウドソーシングサービス流通金額規模は、1,820 億円(仕事依頼金額ベース)に達すると予測されています。
クラウドソーシングの活用はフリーランスが仕事を得るための一手段であり、この統計からも今後もフリーランスは増え続けていくと類推されます。
フリーランスについては、国による正確な統計や予測データありません。しかし、既存統計情報からの類推や民間の調査及び予測、海外の動向から将来的にも成長が続くと思われます。フリーランス市場がますます盛んになる前に、先行者利益を目指してはいかがでしょうか。
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