孤独なテレワークで生産性を上げるには「環境整備」「時間管理」「マインドコントロール」
働き方改革が叫ばれるようになり、それに併せてテレワークを導入する企業が増加しつつある現在。
ですが、まだまだ働き方に合わせた法整備が整っていないことや、テレワーク導入に対する会社の規則等を含めた環境整備が十分でないことから、労働者自身が負担を強いられることがあります。
その結果、働き方改革の一環として始まった副業解禁に合わせ、本業以外で収入源を確保しようとする動きが加速しています。
テレワークと並行して副業や週末起業をする場合、会社に拘束されて仕事をする以上に、生産性を考えたスケジュールを組む必要があります。
テレワークとは?
テレワークとは、tele(テレ:離れた場所)とwork(ワーク:働く)を合わせた造語で、場所や時間にとらわれない働き方を指した言葉です。
『在宅勤務』というのもテレワークの一環で、この他にもモバイルワークや、サテライトオフィス勤務といったものも含まれています。
テレワークの歴史と背景
そもそもテレワークが始まったのは、1970年代のアメリカ・ロサンゼルスです。当時のアメリカの大気汚染や女性の社会進出が発端となっています。
汚染された大気の中で通勤することは健康上好ましくないことや、女性が社会に出るようになり、育児や家事といった時間を満足に取ることができないことがその要因でした。[1]
1980年代になり、日本でもインターネットが普及するに伴い、大学や大手企業を筆頭に導入されるようになりました。
ですが、テレワークにかかる資材などの設備やそれにかかるコスト、当時の日本社会の働き方に対する価値観や慣習にそぐわなかったことから、あまり普及していないのが実情です。
ところが、日本でも女性の社会進出が一般的となり、さらには外国人労働者の雇用、働き手の労働に対する価値観の変容などから、多様性が求められるようになってきました。
加えて、働き方改革や少子化による労働者のライフスタイルの変化も関係して、近年テレワークを導入する企業が増えてきています。
テレワークの現状
労働者にとって働きやすい環境を手に入れられつつある一方で、テレワークに向けての設備整備や、副業に対する規則改変といった環境整備が不十分という現状があります。
そのため、テレワークを希望しても、会社によっては設備費を求められることがあったり、会社外での勤務のために残業代が削減され、収入が減少してしまう人も出てきています。
テレワークするようになると、会社で出退勤を管理されることがなくなるため、勤務体系そのものが変わり、それに伴って給与体系がガラリと変わってしまうことがあります。
これまで一定で受け取ることができていた給料が、出来高制や評価報酬制に変わったり、時給換算されるようになるなど、会社によってさまざまです。
せっかく働きやすくなっても、給料が減ってしまっては元も子もありません。
そうなると、これまでの収入をキープするための働き方を考える必要性が出てきます。
その解決方法の一つとして挙げられるのが、テレワークと並行してできる副業や起業です。
収入源を複数持っておくことは、これから来る働き方の大変革の波に飲み込まれることなく、安心して乗り越えられる手段の一つになります。
テレワーカーが副業やフリーランスで生産性を上げるには
テレワーキングは、情報機器を使ってどこにいても働けるのが魅力です。
副業やフリーランスにもテレワークと同様に、時間や場所に縛られずに働くことが可能なものもたくさんあります。
組み合わせ方次第では、テレワークと副業、あるいはフリーランスとしての仕事を同時並行して進めていくことも可能です。
労働環境の整備
場所に左右されないといっても、労働環境が整備されていないと、生産性の低下につながってしまいます。
たとえば私は、仕事で取材をすることがあります。
取材前には、関係資料を読み込んだり、関係書籍に目を通して、下調べをしたりとかなり手間をかけます。
時には、100枚近い資料を読み込むこともあります。
そんなとき、デスクに他の業務の資料があると、デスク上のスペースが奪われるだけでなく、万が一混ざってしまえば大変です。
そうならないためにも、書類や資料は案件ごとにファイルにまとめ、ファイルボックスにしまったり、必要に応じてデータ化するようにしています。
移動中に資料を確認するとき、紙ベースのままだと広げて見ることが難しいこともあります。
そんなとき、データ化しておくだけで作業がスムーズに進みます。
また、録音された音声を聞き取って、文字に起こすことがあります。
このとき、イヤフォンではなく、ヘッドフォンを使います。
録音状況によっては音が小さく、ボリュームを最大限にしてやっと聞き取れるものもあります。
イヤフォンでは、聞き取るべき音に混ざって周囲の騒音が耳に入って聞こえなくなることがあるからです。
そのため、騒音が大きな日中よりも夜間の静かな時間帯の方が作業に適していることもあります。
私の知人に、テレワークで秘書業務をやりながら、データ入力をしている人がいます。
秘書の仕事は、スケジュールの調整や交通機関のチケットの手配、お礼状の作成などが主だった業務です。
データの入力は、オンラインショップの販売リストの作成などさまざま。
ですが、本業・副業どちらも常に通信設備を必要としています。
そのため、自宅以外で作業をする場合は、電波状況の良い場所をリストアップして、そこから作業場所を選ぶようにしているそうです。
このように、その時々の作業内容によってベストな労働環境が違います。
自分の仕事には、何が必要かを把握しておくことや、どうすれば最適な状況で仕事ができるのかを考え、環境を整えることが大切です。
時間管理
時間に縛られない働き方のテレワークでは、時間管理も重要です。
並行して副業をしたり、フリーランスでの仕事をするなら、なおさら時間管理やスケジュール管理は無視することはできません。
一日のタイムスケジュールはもちろんのこと、プロジェクトに合わせたスケジューリングでは、常に余白を作っておくことがポイントです。
テレワークと並行して他の事業をおこなうのであれば、スケジュールに空きがない状態では何かあったときに対応できず、生産性を下げることになります。
一つひとつのスケジュールは、常に少し多めに時間を見積り、時間が余るくらいにしておきましょう。
時間に余裕があれば、いくらでも前倒しで作業をすることができますし、副業やフリーランスの仕事をそこに充当すれば、増収にも繋がるはずです。
時間管理で便利なのは、バーチカルタイプの手帳やGoogleカレンダーなどデジタルカレンダーを利用することです。
私はデジタルカレンダーを利用していますが、一日の作業時間をまず大まかに決めて、スケジュールに入れていきます。
大体の時間配分で入力していたスケジュールは、作業が終わるたびにスケジュールの終了時間を修正します。
すると、次のスケジュールとの間に隙間ができます。
次の予定を前倒して作業することもできますし、隙間時間用の作業をすることもできます。
マインドコントロール
ここでいうマインドコントロールとは、心持ちやモチベーションに関しての自己管理を意味しています。
テレワークは、社内で作業しているのとは違い、時に孤独を感じることがあります。
他の社員や仲間との触れ合いであったり、関わりが薄くなりやすいため、モチベーションが維持しづらいという面もあります。
特に育児や介護でテレワークを余儀なくされている人にとっては、家族以外と関わることでストレス発散や気分転換になっていた機会が失われることになります。
そういった点でも、副業や起業で家族以外の社会との接点を持つことは、精神面の安定にも繋がります。
結果、モチベーションアップから生産性の向上へと結びついていきます。
私は以前、一時期通勤が難しく、テレワークをしていたことがあります。
その当時は、職場以外の友人知人はみな会社員。
平日の昼間は、本当に独りぼっちで余計に精神的にきつい思いをしたことがあります。
普段あまり気にならないものですが、社会との接点があるかないかは、実は自分の存在価値を感じる一つの支えでもあります。
最後に
今以上の超高齢化社会を迎え、それに伴うライフスタイルの変化を考えると、テレワークに対する需要は今後ますます大きくなることでしょう。
その頃になると、会社に属して働くという従来の働き方の方が少数派となり、副業やフリーランスといったパラレルワーカーが大多数を占めるかもしれません。
いずれにしても働き方は、これからもどんどん変わり続けていきます。
一つの働き方に縛られず、広い視野で自分に合った働き方を見つけることは、安定した生活を送るうえでも大切な視点になることでしょう。
副業やフリーランスの仕事とテレワークとのバランスを上手く取りつつ、生産性を下げることなく、収入をキープできるようにしたいものですね。
<参考・参照サイト>
[1] 『雇用におけるテレワークに関する論点整理』(労働政策研究・研修機構)』
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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