2017/02/10
【フリーランスは孤独…】倒れて働けなかったら?
フリーランスの悩みのひとつとして、「働くことができなくなったら、どうしたらよいのか」ということがあります。フリーランスは、特定の会社に所属しないで自分ひとりの力で仕事をしていくスタイルをとることになりますので、病気などで突然、働くことができなくなってしまうと、収入がなくなってしまいます。
フリーランスが働くことができなくなったときには、どうしたらよいのでしょうか。
フリーランスは、いざというときに備えることが必要
会社員であれば、病気になって休暇をとっても、ある程度までは会社が保証をしてくれますし、傷病手当金を受けることができる場合もあります。仕事が原因で病気になったり怪我をした場合には、労災保険制度もあります。フリーランスにはこのような制度はありません。
フリーランスにとって大切なのは、働くことができなくなったときに、どうしたらよいのかを考え、備えをすることです。会社員であれば、会社や国の機関がいざというときの備えもある程度は考えてくれます。フリーランスは自営業として自分の力で仕事をしていきますが、いざというときのために備えることは、フリーランスの仕事のひとつだといえるでしょう。働くことができなくなったときのことを視野にいれることができないのであれば、フリーランスではなく会社員として働いているほうが安心かもしれません。
働くことができなくなるケースとして、年をとって働くことができなくなる場合と、病気や怪我で働くことができなくなる場合があります。年をとって働くことができなくなるのはすべての人にとって共通で、誰でも年をとって働くことができなくなる時がきます。老後に備えなければならないのは予想がつきますし、ある程度はフリーランスでも国民年金で老後の生活資金が保障されています。今回は、突然、病気や怪我で働くことができなくなる場合の備えについて考えていきます。
フリーランスのいざというときの備え
1.医療保険
病気や怪我をしたときのために利用できるのが、医療保険です。フリーランスも、国民健康保険に加入していますので、国に国民健康保険料を支払い、病気や怪我をして医療機関にかかったときには、3割負担で病院での治療を受けることができます。
しかし、フリーランスは病気や怪我で働くことができなくなると収入がストップしてしまいますので、入院して治療費がかかる、となれば国民健康保険だけでは厳しくなるでしょう。また、年齢はあがればあがるのど、病気になるリスクは大きくなっていきます。今は若くて健康で、病気になったときのことまで考えられないとしても、年齢が高くなるとそうも言っていられなくなります。
そのようなときのために、保険会社の医療保険に加入しておくのはよい方法です。保険会社や医療保険のプランによって違ってきますが、入院日数に保障がつきますし、金額の設定によっては、かかった医療費よりも多くの金額が保障としてもらえることもあります。
病気や怪我をするかどうかは賭けという部分がありますので、もし病気や怪我をしなかったら、払った保険料は損だという考え方もあります。しかし、いざ病気や怪我をして収入がストップしたときに、保険会社の保障があれば安心ですし、医療費以上の保障がもらった人の中には、「病気や怪我で落ち込んでいたけど、お金が入ってきたから、まあいいやという気分になった」という方もいます。もし、病気や怪我にならずに医療保険の保険料が無駄になったとしても、病気や怪我にならなかったのだから、それはそれでよいと思えるのではないでしょうか。
保険会社の医療保険は、収入の補償までしてくれるものではありませんが、フリーランスのいざというときの備えとして、一番最初に検討すべきものだといえるでしょう。
2.就業不能保険(所得補償保険)
医療保険は収入の補償があるわけではなく、病気や怪我の治療費を、保険契約にしたがって一定の範囲で保障してくれるものです。フリーランスは、働くことができなくなると収入がストップしますので、治療費のほかに生活費をどうしたらよいのかという問題が出てきます。このようなときのために、就業不能保険というものもあります。
就業不能保険とは、病気や怪我で働けない状態が続いて収入が大きく減ってしまったときのために、月々の保険料を支払い、働けない状態になってしまったときに給付金をもらうものです。これも、病気や怪我にならなかった場合には、保険料だけがかかってしまいますが、いざ働くことができなくなった場合には大きな味方になってくれます。保険会社のプランにもよりますが、病気や怪我で働くことができなくなった場合には、働くことができるようになるまで給付金を受け取ることができます。
働くことができない期間が長ければ長いほど、たくさんの給付金を受け取ることができることになりますので、いざ病気や怪我をしたときに、それほど落ち込まずにすむかもしれません。
就業不能保険は、保険会社によって商品名が違いますが、内容は同じようなものが多いので、問い合わせてみるとよいでしょう。気をつけなければならないのが、病気や怪我で働くことができなくなった場合といっても、うつ病などの精神的な病気は保険対象外になっていることがほとんどだということです。就業不能保険に加入したと思って安心して働きすぎ、うつ病にかかって働くことができなくなっても、保証されませんので気をつけてください。
3.貯金や投資
病気や怪我で働くことができなくなったとき、会社員は公的な支援としての社会保険制度が充実していますが、フリーランス、つまり自営業者に利用できる公的な社会保険制度は、国民健康保険しかありません。会社員であれば、健康保険の負担も会社と折半ですが、フリーランスの国民健康保険料は当然に自分が全額を負担しなければならず、医療費の負担は大きくなります。
医療保険や就業不能保険などの保険制度もありますが、若い年齢から加入していれば月々の保険料も少なくすみますが、年齢が高くなってから加入しようとすると、どうしても負担が大きくなってしまいます。病気を経験していたり、健康に問題がある場合には、保険料が割増しになったり、保険の加入自体ができないこともあります。
フリーランスにとっては、自分で貯蓄する努力をすることが、一番の備えになるといえるでしょう。税金面のメリットがある小規模企業共済や倒産防止共済を利用して資金を蓄えるのもひとつの方法です。
貯蓄といっても、マイナス金利の現在では、普通に預金をしておくだけでは利息はほとんどつきませんので、投資信託などの安全性の高い金融商品に投資をしておくのもひとつの方法です。また、401K、iDeCo(イデコ)とよばれる個人型確定拠出年金は、一定年齢まで引き出せませんので換金性は高くないのですが、税金面のメリットを受けながら投資信託に投資をするのと同じような効果を得ることができます。
いざというときのためのフリーランスの心得
フリーランスは自由に働くイメージがありますが、収入が不安定で、しかも、いざというときに頼りになる公的な支援はほとんどありません。保険会社を利用した保険も、健康に問題がある場合には加入することができない場合があります。
フリーランスとして働こうという方は、まず、自分がどのような保険に加入することができるのか、いくつかの保険会社や共済保険などに問い合わせてみるとよいと思います。病気や怪我をしてしまったり、健康に問題が出てきてしまってからでは遅いですので、なるべく早い段階で保険に加入できれば加入することをおすすめします。
自分で貯蓄をしていく場合には、特にフリーランスとしての仕事をたちあげたばかりといったケースでは、どうしても日々の仕事や生活の中では難しいですので、強制的に積み立てていく積立定期を利用するのがよいでしょう。
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