融資を受けるのが難しいフリーランスは、「J-Net21」や「ミラサポ」で助成金や補助金をすぐに検索するべし
起業したいけど、お金に余裕がなくて行動を起こせない人も多いと思います。独立するために必要なのは初期費用と収益が軌道に乗るまでの毎月のランニングコストです。
はじめての起業ともなると、「どれくらいでこのビジネスが軌道にのるのか?」という見通しがまるで立たないでしょう。当然ですが、お金はあった方が安心できます。しかし、会社員として生活をしながら莫大な資金を準備することは非常に困難です。
手段として考えるのが金融機関の融資ですが、実際に相談してみると、起業する人が銀行などから融資を受けることは、非常に難しいのです。
そこで考えてみてほしいのが「助成金」「補助金」の活用です。
金融機関の融資と違い、政府や自治体が行っている「助成金」や「補助金」は要件を満たした企業に支給されるもの。つまり、基本的には返済の義務がありません。
「助成金」「補助金」を受け取るのに必要な手順や審査基準が異なりますので、どのような特徴があるのかきちんと把握しておきましょう。
目次
助成金・補助金について
助成金や補助金は、わかりやすく説明すると国や地方自治体から受けることができる「返済不要の資金援助」です。融資などと違い、条件を満たせばもらえるお金です。そのため、駄目でもOKという気軽さをもって申請することができます。
次に、助成金と補助金の違いをわかりやすくまとめてみます。
<助成金>
●主に厚生労働省が行う
<補助金>
●主に経済産業省や地方自治体が行う
助成金や補助金を受け取れることのメリット
基本的に借りたものは返す義務がありますが、助成金・補助金は返済の必要がありません。
また、助成金・補助金を受け取れるということは、「見込みのある事業」として政府や自治体に認めてもらえたということです。こういった第三者からの評価は、事業を行う上で非常に大きい信頼効果を得られることになり、他の融資が受けやすくなるという効果もあります。
私は金融機関に融資を申し出た際に非常に敷居の高さを感じた
起業しようとして、金融機関に融資を申し出たことがある人ならわかるかもしれませんが、銀行などの融資は非常に敷居が高いです。
金融機関が融資の際に重要視するポイントは、「事業計画書の内容」、「自己資金」、「起業者の人間性」といわれていますが、最初の起業でこれらの基準をクリアできる人は、ごく少数です。
私も独立して起業しようとした際、銀行などに融資の相談をした経験がありますが、最初から「極めて厳しい」と言われてしまいました。私の場合、相談した方からはっきり言っていただいたことには感謝しています。結果は、そのとおり厳しいものでした。
金融機関がお金を融資するのは、確実に返済が見込める案件だけなのだということがよくわかりました。
助成金や補助金の探し方から申請、交付まで
では、実際に助成金や補助金の探し方をみていきましょう。
助成金の交付条件は多種多様であるため、「J-Net21」や「ミラサポ」など一括で調べることのできるサービスを利用すると便利でしょう。
「J-Net21」の利用方法
「J-Net21」は、中小企業施策の情報が掲載されているサイトです。経営のためのセミナーやイベント情報が掲載されています。起業のためのノウハウなども情報提供されているので、これから独立を考える方には参考になるサイトでしょう。
「J-Net21」では、補助金、助成金、公募など、条件別に検索できる機能があり、自分の地域や条件に当てはまるものを一括で探し出すことができます。
「ミラサポ」の利用方法
「ミラサポ」とは、2013年から中小企業庁が運営を行っている、中小企業や小規模業者の未来をサポートするためのサイトです。会員登録を行うことで、「ミラサポ」のコミュニティに参加することができる、登録者数約400万人のサイトです。
補助金や助成金を検索できるページがあり、電子申請できるサービスもあります。ビジネスに関する情報をメールマガジンでも提供しており、幅広い利用用途があります。
私の場合、新潟県でフリーランスとして仕事をしているため、それに当てはまる助成金や補助金を検索しています。
検索すると非常に多くの助成金や補助金が出てきます。さらに、IT関連の委託費や経営強化の用途で使用できる「IT導入補助金」や、ベンチャー企業の起業のための「創業準備補助金」などが出てきます。また、フリーランスにはうれしい「創業準備オフィス入居者募集」などの案件も見つけることができます。
こういった情報を上手く利用していきたいところです。
申請できる条件の助成金や補助金を見つけたら、それに応じて必要な書類を集めます。申請後に、それぞれ審査委員会の審査があります。審査の結果、採用が決定したら提出した書類に基づいて事業を展開し、交付申請を行うというのが一般的な流れです。
申請にはやや時間はかかりますが、受けられるメリットは前述したとおり非常に大きいものです。前向きに検討してみましょう。
私は現在、新潟県の「創業準備補助金」の申請を行っています。これは、研修や勉強会の受講に必要な経費の1/2、もしくは最大20万円を補助してくれるというもので、フリーランスの立場から考えると非常にありがたいものです。
審査の結果を待っている状況ですが、仮に審査に通らなかったとしても、リスクが無いというのが助成金や補助金の良い点です。
独立開業する際の資金調達方法
前述したように助成金や補助金は、申請から交付されるまでに一定の時間を必要とします。それ以外で独立する際に資金を調達できる方法を考えてみましょう。
親族や知人
資本金にはできませんが、借入金として親族や知人にお金を借りることができます。しかしながら、事業が上手くいかなかった際に信頼だけでなく、人間関係を失ってしまうリスクがあります。「借用書」や「金銭消費賃貸契約書」などをしっかり取り交わし、トラブルの無いようにしっかりと手続きを行いましょう。
日本政策金融公庫の新創業融資制度
日本政策金融公庫の融資制度に、「新創業融資制度」というものがあります。これは、担保や保証無しで利用できる創業融資制度です。当然審査もあるのですが、金融機関などの融資よりも利用しやすいものになっています。ただし、会社を設立していないと申し込みができないので、注意しましょう。
自治体の融資制度
地域によって差はあるのですが、自治体の融資制度というものがあります。これは、中小企業のために各地方自治体が金融機関と連携して融資する制度です。金融機関の融資システムの仲介を地方自治体がすることによって、起業したばかりの会社が融資してもらえるようにする制度です。金利が安く、返済までの据置期間が長いことが特徴です。利用を検討する場合には自分の所属する地方自治体の制度について詳しく調べてみましょう。
まとめ
さて、今回は独立開業する際の資金調達方法について考えてきましたが、いかがだったでしょうか。最後にまとめてみたいと思います。
●助成金や補助金は、自己資金に組み込むことができるなど多くのメリットがある
●金融機関の融資制度はフリーランスには敷居が高い
●助成金や補助金は、「J-Net21」や「ミラサポ」で検索すると探しやすい
●助成金や補助金は、申請から交付までにある程度時間がかかる
●親族や知人にお金を借りる場合には「借用書」や「金銭消費賃貸契約書」を結ぶ
●日本政策金融公庫の新創業融資制度や自治体の融資制度も検討してみる
返済のない助成金や補助金を上手く活用することで、資金調達をノーリスクで行える可能性があります。ぜひ利用を検討してみましょう。
他にも資金調達の方法はありますが、身の丈に合った融資金額を設定し、堅実な経営をこころがけましょう。
この記事を書いたのは
最新の投稿
- 2020年11月25日コラム日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―
- 2020年10月28日はたらき方チェンジキャリアアップを考えているなら、まずは副業でチャレンジしてみるのがおすすめ
- 2020年10月22日はたらく知恵自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係
- 2020年10月21日はたらき方チェンジキャリアアップしたいならダブルワークが本当におすすめな理由