フリーランスの適正な経費の割合と経費率とは?

フリーランスの適正な経費の割合と経費率とは?
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事業主の方と話していると、よく話題になるのが、交際費はどれぐらいまでOKなのか、他の経費の売上に対する割合はどれぐらいがいいのかということです。

 

対税務署ということで言うと、必要な経費であれば認められますので、明確な答えはありません。

 

しかし、銀行は借入の審査をするときに、同じような規模で同じような仕事をしている他社のデータを蓄積していて、その標準値から逸脱すると減点対象になると聞いたことがあります。そういったデータの利用法があるということは、税務署でも参考にするデータはあると思いますし、知っておいて損はないと思います。

 

フリーランスの公表されている細かい経費項目のデータはありませんが(職種毎ぐらい細かく分類されてないとあまり参考になりません)、おおまかな調査データはあります。

出典:総務省統計局「平成27年個人企業経済調査結果」の「産業大分類,従業者規模別営業状況」を加工して作成

出典:総務省統計局「平成27年個人企業経済調査結果」の「産業大分類,従業者規模別営業状況」を加工して作成

 

 

上記は、個人で事業を営んでいる全国約4,000の事業所に対して行った結果の内、「事業主のみ」の区分を抜き出し、原価と営業費に比率を加筆したものです。

 

売上高が総じて低いため、経費の比率は高めになっていると考えられますが、上記の営業比率がだいたいの目安になります。

 

厳しい結果という印象かもしれませんが、2/3の企業が赤字である状況からすれば、個人事業主の営業利益がこのぐらいなのは、妥当な気がします。営業利益を考える上で、法人と個人で異なるのは、事業主の人件費(役員報酬)が入っているかどうかです。

 

個人事業では、残った利益が所得(自分の取り分)となるのに対して、法人では、営業費(販売費及び一般管理費)の中に自分の人件費が含まれ、残りは法人が留保する利益になります。

 

 

 

 

業種別の原価、経費

 

上記の表について、業種別に考えてみます。

 

 

 

(1)製造業

 

原価(24.2%)については、材料費、外注費、減価償却費、その他間接経費が考えられます。同じ製造業でも内容や原価率には幅があります。製造加工業では、材料費はほとんど発生しませんし、製造物によっては外注を使わないこともあります。

 

経費(34.9%)については、地代家賃、水道光熱費、消耗品費、交際費、手数料、減価償却費、その他雑費が考えられます。個人事業主ですので、製造現場を自分で持っている場合は、地代家賃が発生せず、減価償却費に機械や建物まで含まれて割合としては高くなります。

 

 

 

(2)卸売業、小売業

 

原価率(66%)は、卸売と小売のトータルですので、卸売は一般的に小売より高く、小売は卸売より低くなります。卸売、小売においては、「原価率=期首棚卸+当期仕入-期末棚卸」になります。

 

営業比率(24.1%)は、地代家賃、水道光熱費、消耗品費、手数料、減価償却費、その他雑費が考えられます。一般消費者向けの小売りの場合、取引先はほとんど仕入関係のみになりますので、あまり交際費は発生しませんが、卸売となると、先方によっては少し発生してくるでしょう。営業比率が低いのは、卸売、小売業の売上高は、同規模の他業種よりも大きくなるためで、絶対値としてはあまり変わりません。

 

 

 

(3)宿泊業、飲食サービス業

 

宿泊業、飲食業で雇用者(アルバイトも)0人ということは、ペンションの経営や、喫茶店などが思い浮かびますが、原価率46.4%は少し高めに感じます。「俺の~」シリーズは原価率60%と言われていますし、ランチのみだと50%を超えることもありますので、一概には言えませんが、なかなか厳しいです。

 

営業費率(40%)が高いのは、地代や減価償却費が高くなっているからかと思われます。一般消費者相手の商売ですので、交際費は仕入先などに少し発生するかどうかでしょう。

 

 

 

(4)サービス業

 

フリーランスの多くの方が、こちらに属する仕事をされているかと思います。カメラマン、コンサルタント、プログラマー、ライターなどがここに含まれます。

 

原価や経費があまりかからないことが多く、その分、他の業種に比べて売上は少なくなります。

 

原価率(15.5%)は通常発生しませんが、仕事を手伝ってもらったりすると外注費として原価が少し発生します。

 

営業費(42.9%)の比率が高いのは、売上高が少ないためで、同規模他業種と比べれば絶対値は低くなります。考えられるのは、旅費交通費、消耗品費、交際費、手数料、その他経費です。事務所を借りたり、大きなものを買ったりということはあまり無いでしょうから、地代家賃や減価償却費はほとんど含まれていないと思います。

 

 

 

 

交際費について

 

必要経費の中で最も悩ましいのが交際費です。税務署に対して、いったいいくらぐらいまで認められるのか?上記の通り答えはありません。

 

事業に必要な経費であれば全て認められることになります。社会通念上妥当な範囲というような言葉で括られることになりますが、「取引先」との飲食だけでなく、「フリーランス」の懇親会などについても、経費性があれば認められます。

 

打ち合わせ内容などを手帳や領収書にメモしておくと、必要経費として説明しやすいかと思いますので、使いっぱなしにせず、何かしら内容を保管しておくべきでしょう。

 

 

 

 

まとめ

 

タイトル通り経費の割合ということで、見ていきましたが、業種により状況が異なり、あまりしっくりこないと思います。それよりも、営業費の額を上から見ていくと、100万円~130万円とあまり幅がないことに気づきます。そこに地代家賃が含まれるのかなど、様々な状況があるにも関わらず同じぐらいになっています。

 

フリーランスとして、一人で活動するのにかかる経費はだいたい100万円超ということは言えるでしょう。ただし、規模が大きくなると、その分経費も増えます。

 

経費は当然ですが、そのままの額が出費です。それで少なくなる税金は、その経費に税率を乗じた額です。税金などを意識して無理して使おうとせずに、最終的には手元に残るお金を最大化できるように活動するのが一番です。

 

 

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