フリーランスの働き方も法律に縛られる?

フリーランスの働き方も法律に縛られる?
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会社員(役員除く)には労働基準法が適用されますし、会社になると会社法などが関わってきます。言い換えると、それらの法律により、人や会社は縛られることにもなります。

 

※「労働基準法でフリーランスはどうなっているの?」も覗いてみてください。

 

 

法律は弱者を守るという側面もありますから、フリーランスのようにどうしても弱い立場になる可能性が高くなる働き方においては、縛られる以上に有利になることが多いだろうと予測できます。

 

 

ここでは、フリーランスに関わる法律にはどういったものがあるのか考えていきます。刑法などフリーランスとしての活動以外でも関係する法律については除外し、系統別に並べていきます。

 

 

 

 

 

行政法

 

1.所得税法

 

会社員の場合、毎月の給与から控除されて年末に調整される税金です。フリーランスであれば、翌年の3月15日までに確定申告をすることで税額が確定し、その時に納付します。

 

所得税の各種控除額(基礎控除38万円他)を超える日本の居住者全員に関係しますが、フリーランスの場合、申告納付手続きが異なりますので要注意です。

 

 

 

2.消費税法

 

フリーランスでも要件に該当する場合は申告納付する必要があります。

 

具体的には、基準期間(前々年)の課税売上が1000万円を超えるときなどです。納付申告の期限は、所得税の確定申告と少し異なり、3月31日までになりますが、ほとんどの方は所得税と同時に申告しています。

 

課税売上とは消費税がかかる売上のことです。定義として、

 

「国内において」
「事業者が事業として」
「対価を得て行う」
「資産の譲渡等」

 

を指します。これに該当しても、国が定めた非課税の指定業もあります。

基本的な計算は、

 

「売上に含まれる消費税」-「仕入、経費等に含まれる消費税」

 

となり、その差額を収めることになります。売上に含まれる消費税の方が少ない場合は、還付申告をして、税金を返してもらうことになります。

 

また、基準期間の売上高が5000万円以下の場合、簡易課税制度の届出をすることで適用が可能です。これは、上記のような差額計算ではなく、課税売上から業種毎に決まった割合を控除して申告納付する制度です。

 

有利不利が生じますので、ここまで売上がある場合は、詳しくは税理士に相談した方がいいでしょう。

 

 

【参考情報】

国税庁「消費税のしくみ」「簡易課税制度

 

 

 

3.地方税法

 

・住民税

上記の所得税と同期化されており、自動計算されます。少し控除の額が異なったり、均等割があったりしますが、課税される所得金額に対して一律10%が課されます。

 

・固定資産税

土地や家屋はもちろんですが、個人事業主になると償却資産税というものが出てきます。その年の1月1日に事業で使用している固定資産(10万円以上)について、1月31日までに申告するものです。納付は他の固定資産税といっしょに6月以降に支払います。(20万円未満の資産について一括償却資産として扱う場合、その資産は申告不要です)

 

 

※「フリーランスは税金が高いって本当?」も覗いてみてください。

 

 

 

 

民事法

 

1.商法

 

商人とその取引相手に適用される法律であるため、個人事業主にも関係します。

 

民法の特別法という位置付けで、六法の一つです。商行為などについて規定されていますが、専門家でないと解釈が難しい法律です。少し悩んだときに条文を見てみるのもいいですが、基本的にはもっと細かく規定されている法律や類似した判例を参考にする方が分かりやすいです。

 

 

 

 

産業法

 

1.消費者基本法

 

消費者と事業者の情報格差などから生まれる不利益を無くし、消費者を守るための法律です。消費者の権利などについて規定されています。小売業など一般消費者を相手に商売をしているフリーランスはこの法律を知っておく必要があります。

 

ただし、基本法ですので概念的なものが多く、細かい事例は下記の2つの法律や判例に頼るのがいいでしょう。

 

 

 

2.消費者契約法

 

消費者保護のための法律です。不当な勧誘による契約を取り消すことができたり、不当な契約条項が含まれている契約は無効になったりすることが規定されています。

 

この法律は一般消費者を相手にしているフリーランスは知っている必要があります。

 

(具体例)

・不当な勧誘

「事実と異なることを話した」「不利益な事実を故意に言わなかった」など

・不当な契約条項

「消費者の解除権を放棄させる条項」など

 

 

【参考情報】

消費者庁 消費者契約法リーフレット「知っていますか?消費者契約法-民法・商法の特例となる規定について-

 

 

 

3.特定商取引に関する法律

 

消費者保護のための法律です。クーリングオフなどが定められており、これも一般消費者が対象となる仕事をしている場合は勉強しておく必要があります。

 

【参考情報】

特定商取引法ガイド(消費者庁)

 

 

 

4.下請代金支払遅延等防止法(下請法)

 

立場が弱くなることが多い下請け業者を保護する目的の法律です。多くのフリーランスにとっては、縛られるというよりも守ってくれる法律になります。

 

親事業者(発注者)の義務や禁止事項が規定されており、代金支払いの遅延や買い叩きなど、一方的に不利益を被った場合、この法律に図って是正することができます。また、この事実を下請け業者が公正取引委員会などに知らせた場合の報復措置についても禁じています。

 

最近では、消費税率が上がった時に価格転嫁できているか調査していました。

 

 

【参考情報】

公正取引委員会 下請け業者のための下請代金支払遅延等防止法ガイドブック「知って得する下請法

 

 

 

5.不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)

 

不当な表示をしたり、過大な景品を付けたりすることで、消費者が不必要なものを購入することを防ぐ法律です。

 

不当表示については、よくニュースにもなっていますので、なんとなくイメージが湧くかと思います。一番多いと感じるのは、ダイエットや健康商品で、その効果を過大に見せてしまい、再発防止の措置命令が出されることです。

 

フリーランスとして活動していると、チラシやHPを作成することもあるかと思いますので、この法律はしっかり理解しておきましょう。

 

 

【参考情報】

消費者庁 景品表示法のパンフレット「事例でわかる景品表示法

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参考:各種専門業法

 

弁護士法、税理士法、建築士法など士業に関するそれぞれの法律があります。また、不動産業であれば、建築基準法、宅地建物取引業法、道路交通法などが関係してきます。

 

それぞれの業種による法律は、民法などの基本六法と異なり、具体的に規定されているものが多いです。

 

その分、条文と仕事が直接関わりますので、それに関する業務に従事する場合は、よく知っておく必要があります。

 

 

 

 

まとめ

 

タイトルへの答えは「縛られる」ということになります。

 

と同時に、守られています。

 

法律を理解するとなると、どうしても構えてしまい、判断を慣例で済ましてしまいがちですが、特定商取引法違反などで業務停止処分になると厄介です。また、下請法のようにフリーランスを守ってくれる法律もありますので、知っておくと泣き寝入りせずに済むこともあります。

 

法律の条文を読み込むのは専門家に任せて、関係する法律に関しては図解されたガイドブックやリーフレットを読んで一通りの知識は備えておきましょう。

 

その上で問題が起こった時は、弁護士などの専門家に相談するのもいいですが、消費者庁など行政に問い合わせてみるのも一つの手です。少額のことであっても対応してくれます。ただし、名前などを聞かれて勧告などの具体的な話になっていくことも考えられますので、そういったところまで踏み込まないようにしたい場合は、一般論として確認する程度になるでしょう。

 

一番良いのは、事前に法律の概要を知っておき、問題が起こる前に対処することです。

 

 

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