働き方改革で政府が副業を後押し!メリット・デメリットを考える

働き方改革で政府が副業を後押し!メリット・デメリットを考える
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「働き方改革」により多様な働き方が推進される中で正社員の副業についても、政府の方針として動きがあります。下記は、日本経済新聞の「2016年12月26日の記事」の抜粋です。

「政府は「働き方改革」として正社員の副業や兼業を後押しする。企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。

副業禁止という企業が多いイメージですが、実際にはどのような状況なのでしょうか。リクルートキャリアが今年2月14日に発表した「兼業・副業に対する企業の意識調査」では、以下のようになっています。

Q1. 就業規則では社員への兼業・副業を認めていますか。
兼業・副業を容認・推進している 22.9%
禁止している 77.2%

政府の副業容認化の意思表示は、およそ8割もの企業とその社員に影響がありそうですね。

 

 

それでは、副業「禁止」から「容認」へと転換する場合の、企業と会社員、それぞれのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

 

 

 

 

副業解禁による“企業”のメリット・デメリットとは

 

<企業のメリット>

 

社員の主体性を育む一助になる

副業は勝手に収入にはなりませんので、自らがきっかけを作ることになります。そして、自己責任です。

 

給与の不満が一部調整される

残業が少なくてその分給与水準が他社に比べ低い場合、もっと働きたいと思っている社員とこのままでいい社員に分かれると思います。そこで副業を容認すれば、もっと働きたい社員に収入を得る機会が与えられ、不満が調整されます。

 

社員のスキルアップ

副業に取り組むことによって、意欲のある社員が既存のスキルを磨いたり、他のことにチャレンジしたりすれば、それが本業へプラスで返ってきます。

 

人材採用の幅が広がる(人材確保に役立つ)

副業をどうしてもしたいと思っている人は副業禁止の企業を避けると思いますし、現職の方も副業を余儀なくされているのに副業できなければ退社を選択する場合もあります。

 

新事業の創生につながる

副業により得られた知識や人脈が本業での新事業の創生や新商品の開発に繋がる場合もあります。

 

 

 

<企業のデメリット>

 

社員の健康管理が困難になる

副業により肉体的にも精神的にも疲れが溜まっていくと、本業での勤務に影響が出て、企業としては生産効率が落ちます。企業として長時間労働にならないよう努めていても、副業によりその休む時間が奪われると、社員の健康管理をすることが困難になっていきます。

 

社内の雰囲気が崩れる

露骨に副業を優先する素振りを見せるような社員が出てくると、部署内の雰囲気が悪くなります。原則容認としていることで、会社への不満にも繋がってきます。

 

情報漏洩の可能性

守秘義務を課していても、多くの人が副業をしていると他社と関わることで情報が漏洩する可能性は出てきます。その場合に備えて規則を改定するなど、企業ができることはやっておく必要があります。それでも情報漏洩が起こると企業の責任となります。

 

人手不足に繋がる

副業を容認することで、社員が各々の時間を大切にして、その分仕事の範囲を限定しようとする意識が働く可能性があります。間接的ではありますが、そういった意識が広がれば人手不足に繋がっていくことも考えられます。

 

風評被害の可能性

副業で本業とはあまりにかけ離れたことをやっていると、それが表面化された時に、会社のイメージを損ねることも考えられます。また、副業で犯罪に関わるようなことをしていた場合、会社の名前がメディアにさらされ、社会から会社の責任を問われることもありえます。

 

 

 

 

副業解禁による“会社員”のメリット・デメリットとは

 

<会社員のメリット>

 

収入を得ることができる

副業により、収入を増やすことが一番の動機かと思います。また、相対的に幅は小さくとも収入をコントロールしやすいですので、必要な分だけ働くといったこともできます。

 

スキルを磨くことができる

本業や他の職種に関わらず、副業によって得られる経験が役に立つこともあります。例えば、語学力のさらなる強化を狙って翻訳などの仕事をすることも考えられます。

(勉強の要素が増えれば増えるほど、収入面での効率は反比例して低くなることが多いと思いますが。)

 

本業では知り合えない人と繋がりができる

副業でできた人脈が本業に活かせることもありますし、そうでなくても新しい人と出会うことで人間的に成長できます。

 

空き時間を活かせる

趣味で時間を使うことが苦手な方は、リフレッシュの時間としての副業も考えられます。

 

好きなことをできる

転職したり、フリーランスになったりしてまでやりたいことではなくても、好きなことを仕事にできるので刺激になります。特に本業でサービス業をしている人が、何か好きな物を作ったり書いたりすると、形に残って良い刺激になるのではないでしょうか。

 

 

 

<会社員のデメリット>

 

人事考課でマイナスになる場合もある

規則に則って副業をする場合でも、明らかに疲れが出ていて集中力を欠く行いが増えていくと、結果的に人事考課でマイナスになります。

 

企業文化によってはよく思われない

副業容認の会社であっても、同僚など周りへの配慮をする必要はあります。規則上問題無いのだから、周りは関係ないという発想ではなく、周りにも理解してもらって本業の人間関係に差し支えないようにしましょう。

 

本業と副業の区別ができなくなるとマイナス面が出てくる

どちらが本業でどちらが副業か気持ちの上での区別ができなくなると、本業へマイナスの影響を与えることもあります。例えば、副業が大事なところだから、本業を病欠にして休むなどしていくと、社内だけでなく社会的信用も失います。

 

 

 

 

まとめ

 

企業・社員、双方にメリット・デメリットが多くあるようです。

 

企業は、社員が副業することで成長するのであれば人材育成のコストが削減できますし、副収入があることによって給与への不満の一部を調整できるかもしれません。その反面、社員の健康管理や社内雰囲気を保つことが困難になることが予想されます。また、情報漏洩をどのように防いでいくのかが、大きな課題として残ることでしょう。

 

社員にとっても、嬉しい話だけではありません。一番の目的であろう「収入を増やしたい」という部分は叶えられるかもしれませんが、今まで以上の自己管理と配慮が必要になってくるでしょう。また、副業のための仕事を見つけることに苦労する人が出てくることも考えられます。

 

今まで「禁止」だったものが「容認」へと方向転換することは、容易なことではありません。また、副業を認めている企業が22.9%という現状の副業への理解度を考えると、実際に副業が容認される世の中になるまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。しかし、政府が副業を「原則容認」と意思表示し続けるかぎり、副業を認める企業が増えていくのではないかと思います。

 

副業解禁となったときに慌てないよう、自分にできそうな副業について調べたり人脈を広げたり等、少し準備をしてもよいのかもしれません。

 

 

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