フリーランスが仕事を受けるときは、「契約」を交わそう!

フリーランスが仕事を受けるときは、「契約」を交わそう!
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フリーランスは、ひとつの会社に属さずに自由に仕事をするスタイルで働く人のことをいいます。会社と違い、本業だけでなく営業から事務まで、さまざまな業務をひとりでこなさなければなりません。

 
フリーランスがあうトラブルとして多いのが、仕事を依頼された場合に、納品をして報酬をもらう段階で、最初に言っていた報酬と違う、最初に依頼した内容と納品したものが違う、というように、クライアントとトラブルになることです。多くのクライアントとのトラブルは、事前に契約を交わすことで少なくすることができます。

 
今回は、フリーランスと契約についてご紹介します。

 

 

フリーランスと契約

フリーランスにはいろいろま業務形態がありますが、なにかの仕事をして報酬をもらう形で働くフリーランスの多くは、業務委託という形態で仕事をしているのが一般的です。
契約自体は、契約書がなくても、口約束でも契約をすることができます。口約束の契約も、法律的には有効で、契約をした当事者は、契約を実現させるために努力しなければなりません。しかし、口約束だけでは、あとから客観的に契約があったことを証明することができません。トラブルになるケースの多くは、当事者の話が食い違うことでトラブルになっていますので、口約束で「言った、言わない」の争いになった場合に、法律で解決をしようと思ったときには、その契約自体がなかったと判断されてしまうこともあります。

 
トラブルを事前に防ぐためには、事前に契約書を交わすことを心がけましょう。契約書を交わしておけば、トラブルがあった場合に契約書をもとに判断することができますし、トラブルが解決できなくて裁判になった場合にも、契約書どおりの内容で保護される可能性が高いからです。もし契約書を交わすことができない場合には、文書に残る形で約束をすることが大切です。

 
ただし、たとえば殺人依頼や愛人契約などの法律や公序良俗に反するような契約は、契約自体が無効となります。法律に違反するような契約をした場合、契約書があっても、きちんと報酬が支払わられなくても、契約自体が無効となるために、報酬を支払う義務がないことになりますので、仕事を請け負うときには、公序良俗に反しない法律の範囲内での契約だけにしてくださいね。

 

 

 

フリーランスと契約の種類

フリーランスの契約といえば、業務委託契約が思い浮かびます。業務委託契約という概念は法律的な概念ではありません。フリーランスの仕事形態で、いくつかの法律的な契約形態が混ざった形を、業務委託契約という便利な言葉でよんでいるだけです。

 

 
1.仕事を請け負って納品する場合
フリーランスの仕事をするときに、クラウドソーシングなどを利用する、あるいはクライアントから直接に仕事を頼まれて、納品をする形で仕事をする場合には、法律的には、請負契約という契約となります。つまり、仕事の完成を目的とする契約のことです。
したがって、仕事を請け負ったフリーランスは、仕事を完成させるという義務が発生します。仕事の完成にミスがあったり、仕事が完成できなかった場合には、そのミスを修正したり、完成できない仕事に対して損害賠償責任も発生します。

 

 
2.事務などの行為をこなす場合
たとえば、得意先に出向いて作業をしたりするなどは、業務を処理すること自体を契約の目的としていて、法律的には委任契約・準委任契約といいます。
この場合には、ミスを修正したり、仕事が完成できなかったときの責任はありませんが、フリーランスはクライアントから、プロフェッショナルとして期待して仕事を依頼されているわけですので、その期待に応える義務はあります。通常期待される程度の注意を払って仕事を行う義務は果たさなければなりません。法律的には「善管注意義務」という言い方をします。自分の怠慢で仕事をこなせなかった場合には、この義務に違反することになります。

 

 
3.雇用されている場合と同様の業務委託契約
中には、雇用契約から業務委託契約に切り替えを求められる場合があります。雇用契約でないために会社側は社会保険料などの負担をしないですむのですが、仕事は今までと同じように会社側に指示されて行う場合です。
本来であれば、上記の(1)や(2)に該当するフリーランスの契約形態では、フリーランスとクライアントは対等の立場になり、仕事を受注した側に、自分の裁量で仕事をしていく権利があります。会社でサラリーマンとして働くのと同じ条件で業務委託契約をしている場合に、実質的には雇用契約であるときもあります。業務委託契約をする場合には、しっかりと条件などを確認し、納得ができない場合には改善を求めるようにしましょう。

 

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フリーランスが業務委託契約を交わすときの注意点

フリーランスが業務委託契約を交わすときには、「業務内容、報酬金額、責任の範囲、秘密保持、個人情報、やむを得ず業務ができない場合」について確認する必要があります。
業務内容を確認することで、どの範囲の仕事をすればよいのかが分かります。納品方法などもあわせて確認できるようにしておくとよいでしょう。

 
報酬金額については、税金や手数料の取扱いも具体的に決めておくようにします。また、予定以上の工数がかかってしまった場合の報酬についても決めておくと、トラブルが少なくなるでしょう。
責任の範囲は、契約の形態について異なります。ミスがあった場合の修正はどうするのか、クライアント側で手を加えた場合にはどうするのか、仕事を完成したあとどれくらいの期間を補償の範囲とするのか、などを決めておくとよいでしょう。完成した制作物についての著作権は誰に帰属するのかも決めておくようにします。

 
秘密保持や個人情報の取扱いについても、事前に契約に含めておくことであとからのトラブルを防ぐことができます。また、誠実に仕事をしても、やむを得ない事情があって仕事を完成できない場合などの対応についても、事前に話あっておくことで、いざというときにスムーズに話し合いが進みます。

 

 

 

フリーランスと秘密保持契約

1.秘密保持契約とは?
秘密保持契約はNDAと呼ばれます。フリーランスは、プロフェッショナルとして、個人事業をしているわけですが、秘密保持契約にも注意していかなければなりません。

 
フリーランスが仕事を依頼された場合、秘密保持契約を結ばなくても、一般的に期待される程度の、クライアントの機密事項を外部に漏らしてはいけないという義務は発生しますが、契約として秘密保持契約を結ぶことで、あとからのトラブルを防ぐことができます。
秘密保持契約を結んだ場合、クライアントやフリーランスがお互いに仕事をしていく中で知ったお互いの情報をもとに、同じ業種の仕事をはじめることで得意先を奪ったり、特許出願をすることを防ぐことができる場合があります。

 

 
2.秘密保持契約で注意すべき点
秘密保持契約を締結するときには、内容をきちんと確認するようにしましょう。
秘密保持契約では、まず、秘密情報の範囲について確認する必要があります。どのような情報を秘密にしなければならないのかを確認しましょう。

 
次に、情報の取扱方法について確認します。ただ秘密を漏らすことだけを禁止しているのか、その秘密を利用して自分が業務以外の目的に使うことも禁止されているのかを確認する必要があります。

 
最後に、フリーランスとしての仕事が完了したときに、情報の破棄をするのかどうかを確認します。契約によっては、クライアントから渡された資料などを破棄することを求められることもあります。

 

 

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